脊椎動物の個体発生の過程で、前腎に続いて現われる腎臓。
魚類以降に現われ、魚類と両生類は生涯腎臓として働く。
しかし、より進化した脊椎動物では後腎に移行し、中腎は胎児期に退化する。
非常に原始的な脊椎動物である円口類は中腎を認めず、生涯を前腎で過ごす。
魚類と両生類では幼生期の初期に前腎が機能するが、その後中腎に変わる。
爬虫類・鳥類・哺乳類になると、胎児期の初期に機能するが、やがて発生する後腎に機能が引き継がれる。
ネフロン一つだけからなる前腎の尾側に、ネフロン10〜50程度で作られるものが中腎である。
爬虫類/鳥類/哺乳類では胎児期、中腎の尾側に尿管芽と呼ばれる突起が出現する。その周囲に間葉系組織が集まり、やがて数百万ものネフロンを持つ後腎を作り、それに伴い中腎は退化する。
哺乳類の場合、この時生じた中腎管は、雄では雄性生殖器へと発達するが雌の場合は退化し、中腎傍管が発達して雌性生殖器を形成する。哺乳類において泌尿器と生殖器が一体化しているのはこのためで、あわせて尿生殖器系ともいう。
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