フェナントレン

読み:フェナントレン
外語:phenanthrene 英語
品詞:名詞

ベンゼン3個がオルト縮合した多核芳香族有機分子。発がん性物質である。

目次

基本情報

  • 分子式: C14H10
  • 分子量: 178.23
  • 密度: 1.179g/cm³(25℃)
  • 融点: 99.2℃
  • 沸点: 340℃ (760mmHg)
  • CAS番号: 85-01-8
  • ICSC番号: (登録なし)
  • 官報公示整理番号(化審法番号): 4-635
  • 化管法政令番号: 2-58

フェナントレン
フェナントレン

  • 外観: 白色の、板状またはウロコ状の結晶
  • 溶解性:
    • 水溶解度: 1.15mg/L(25℃)

誘導体、関連物質の例

この物質の用途は知られていない。

石炭を燃料とする工場や、食品のこげ、煙草の煙などに見つかる物質で、発がん性物質である。

天然には、フェナントレン骨格を持った芳香族は様々あり、モルヒネコデイン、アリストロキア酸などがよく知られている。

毒性

フェナントレンは、DNAを損傷し、突然変異を発生させ、がんを発症させる危険性がある。フェナントレンは、煙草に含まれる発がん物質の一つでもある。

米国立がん研究所の資金提供により、スティーブン・ヘクト(Stephen Hecht)ら米科学者の研究チームが煙草に含まれる物質がヒトのDNAに及ぼす効果を追跡研究し、結果が2011(平成23)年2月15日の米国化学会の学術誌「Chemical Research in Toxicology(毒物学の化学研究)」に掲載された。

結果は、煙草をわずか数回吹かすことで、数分以内にがんに関連する遺伝子損傷が起きる危険性があるとされた。

毒性のある多環芳香族炭化水素(PAHs)のうち、煙草の煙に含まれる中で最大の発がん性物質と見込まれているフェナントレンの量を調べたところ、煙草の効果は血流に有害物質を直接注入するのと同程度に速く、血流内のフェナントレン量は喫煙を終えてからわずか15〜30分で最高値に達した。

安全性

適用法令

  • 化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

毒物及び劇物取締法には非該当。

危険性

  • 引火点: (該当資料なし)
  • 発火点: (該当資料なし)
  • 爆発限界: (該当資料なし)

有害性

  • 刺激
    • 腐食性: (該当資料なし)
    • 刺激性: (該当資料なし)
    • 感作性: (該当資料なし)
  • 毒性

環境影響

  • 分解性: (該当資料なし)
  • 蓄積性: (該当資料なし)
  • 魚毒性: (該当資料なし)
用語の所属
発がん性物質
多核芳香族
関連する用語
ベンゼン
ステロイド核

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