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再放送により急激に人気が出たテレビアニメ "機動戦士ガンダム" の劇場版第一作。1981(昭和56)年3月14日公開。
基本的にストーリーはテレビ版のダイジェストであるが、全43話の内容を1本(2時間)に詰め込む方法ではなく数本に分割する構成を取り、また一般的な前後編からさらに一歩進んで三部作構成としそれぞれを半年ごとに順次公開するという、制作に時間をかけた方法を採用した。これにより内容が極端に削られることなく、より映画的な深みを持たせた内容にでき、また一作目の公開を再放送の直後(本放映の最終回が1980(昭和55)年1月26日でありプラモデル発売が1980(昭和55)年7月からであった)から行なえ、タイミング的にもファンの要求に応えた形となっている。この劇場版の公開によりガンダムの一般に対する認知度は急激に高まることとなり、その後伝説的に語られることとなるガンダム人気の歴史を作ることとなった。
なお、最初から構成を分割して映画化する方針ではあったが、それまでこのような手法のアニメ映画がほとんど無い上に、テレビシリーズの打ち切りも含め興行的に不安があることから、実は一作目の公開時点では二作目以降の制作は保留されていた。しかし実際には10月のプレス発表時点から新聞なども含め注目度は高く、直前の "アニメ新世紀宣言大会" イベントの効果もあって上々の成功を納め、第二作以降の制作も正式決定された。劇場版第一作に二作目以降にある数字や副題が付いてないのはそのためである。後にビデオが発売された時には、便宜上 "ガンダムI" とパッケージに数字が付けられた。
第一作の収録範囲はテレビ版第1話から第13話("再会、母よ")までの話を一部順番を差し替える形で構成され、最初のガンダムの起動からシャアとの対決、ルナツーの経由、大気圏突入、地上でのガルマとの死闘、マチルダとの出会い、母との再会、ランバ・ラル(グフ)の登場を経て最後にガルマの国葬とギレン・ザビによる演説そしてジーク・ジオン!の大合唱でエンディングを迎える。旧ザクが登場するシャアの補給、ルナツーでの拘束と脱出、一部民間人を地球に下ろす("戦場は荒野")話は省かれ、また本来はガルマ国葬("ジオンの脅威")の後ろにあった母との再会("再会、母よ")が前に移動されている。これによりアムロにとっての戦争や組織の辛さや厳しさが全面に出て心理の流れを中心に物語が進むこととなり、最後に敵の脅威が壮大に示されるといった演出となっている。
順番の差し替えと削除による話の繋ぎ合わせ部分を新作カットで補う他、一部のキャラクターの印象的なカットや微妙な表情の描き直しが行なわれている。また音楽は全て録り直しされている。更にガンタンクは宇宙での出番が削除され完全に地上用兵器として扱われ、大気圏突入時の戦闘で使われたガンダムハンマーも削除、大気圏突入で使う装備は耐熱フィルムからガス状の耐熱フィールドに変更されるなど、メカニック描写もいくつか改められた(しかし耐熱フィールドに関しては今となっては延々とガス状のフィールドを放出するよりも耐熱素材によるフィルムで全身を被った方がリアルだったのではないかという見方もある)。
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