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ディーゼルエンジンは、軽油が「高温で自然発火する」という性質を利用したエンジンである。
ガソリンの着火点が500℃程度であるのに対し、軽油の着火点は350℃と低いため、ガソリンよりも低い温度で着火させることが可能である。また引火点も、40℃未満では不燃性であり火を近付けても引火しないなど安全面でも優れている。そこで、この軽油を燃料として作られたエンジンがディーゼルエンジンと言うことになる。
ディーゼルエンジンは高温を維持するためアイドリング中であっても大量の空気を吸い込み爆発させる必要があること、圧縮〜爆発に大きな音と振動が発生すること、そして高圧縮に耐えうるだけの材質をシリンダーに使うため、エンジン重量が増してしまうなどの欠点がある。対し、ガソリンエンジンより熱効率が良いことが利点である。、古典的なディーゼルエンジンでは電気系統が不要なため故障が少ない利点もあった。
ガソリンエンジンもディーゼルエンジンも吸入→圧縮→爆発→排気という四工程で動くのは変わらないが、細かいところが違っている。例えば、ガソリンエンジンはスパークプラグ(点火プラグ)で点火してようやく爆発するが、軽油は前述のように「高温で自然発火する」ため、スパークプラグは必要がない。
吸入は、ガソリンエンジンの場合は燃料との混合気であるが、ディーゼルエンジンの場合は本当にただの空気であるという点が大きく異なる。
爆発の工程も違いがあり、ガソリンエンジンはスパークプラグ(点火プラグ)で点火するが、ディーゼルエンジンにスパークプラグはない。吸入され圧縮された空気に対し、軽油を噴霧するだけで自然に着火し爆発する。
空気は圧縮することで密度が小さくなり、高温になる。ディーゼルエンジンによる高圧縮で、ピストンが一番上に達した時点(上死点)頃に500℃〜700℃になっているため、ここに軽油を霧状に噴霧すると自然着火し爆発することになる。
このような機構の違いがあるため、ディーゼルエンジンにはスパークプラグ(点火プラグ)は必要がない。
ディーゼルエンジンは、発生する熱エネルギー変換効率が良いため、ガソリンエンジンよりも燃費がよい。
ガソリンと比べ、軽油は価格が安い。レギュラーガソリンと比べて、1リットル当たり20〜30円程度安い価格で売られている。
ただこれは日本に限った話である。日本の場合、軽油引取税とガソリン税という異なる税金が掛かっており、軽油引取税の方が安いため軽油の方が安いという、単純にそれだけの理由である。
アメリカなどでは価格は殆ど同じなため、ディーゼルエンジンは人気がない。
ディーゼルエンジンは大きな回転力(トルク)を取り出すことができるので、加速性能が良い。その一方で高回転は苦手である。これは軽油の燃焼速度がガソリンよりも遅いことが原因である。
エンジンの「パワー」はエンジンの回転数×その時に発生するトルクで求められるが、ゆえに同じトルクなら回転数が高いほどパワーが出ることになる。この点では、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンより不利である。
結果として、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと比して「高燃費」「高トルク」「低パワー」ということになる。
この欠点を改善するために、ディーゼルエンジンの多くでターボチャージャーが組み合わされている。
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと比べ、高圧縮比に耐える強度、および燃料噴射の気密性が必要になるため、製造コストが高い。
結果として、同等の車格で比べるとディーゼル車の方が車体価格が高くなる。
軽油はガソリンよりも粘度が高く、また低温で流動性が低下する。運転中は問題ないが、長時間停車する場合は注意が必要である。
寒冷地で販売されている軽油は低温で凍りにくくするための添加剤がブレンドされているが、そうでない地域ではブレンドされていない。このため暖かい場所で給油し寒冷地に移動する場合は注意が必要である。少しずつでも寒冷地で給油し、タンク内の軽油と混ぜて凍結を防ぐ必要がある。
ディーゼルエンジンのオイル交換のサイクルは、ガソリンエンジンより短い。
ガソリンエンジンの場合、通常の使用で15,000kmまたは1年毎の交換が一般的である。対し、ディーゼルエンジンの場合、メーカーごとの差はあるが、通常の使用で10,000kmまたは1年毎、エンジンに負担のかかる運転の場合は5,000kmごとの交換となる。
またそのオイル自体も、ガソリンエンジン用より高い。
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