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買った品物の代わりに、相手に支払うもの。お金。貨幣のうち、現在通用するものを通貨という。
日本の現行の貨幣はアルミ貨(1)、黄銅貨(5)、青銅貨(10)、白銅貨(50・100・500)、紙幣(1000・2000・5000・10000)で構成されている。
日本の貨幣の歴史は、長く「和同開珎」から始まったとされていた。
これは708(和銅元)年、武蔵国秩父郡より自然銅が算出された事を祝し元号を和銅に改め、遣唐使が持ち帰った「開元通寶」をモデルとして作られた貨幣である。
この和同開珎は奈良の都の建設のために作られたものでもある。
しかし、「日本書紀」という歴史書には683(天武天皇12)年に天武天皇が銅銭を使うように命じたという記述があり、また694(持統天皇8)年と699(持統天皇13)年には貨幣鋳造のための役所を置いたという記述もあって、この貨幣とは何なのか、長らく研究者を悩ませる謎となっていた。
そんな折、奈良県明日香村の工房遺跡・飛鳥池遺跡(7世紀後半〜8世紀初)より「富夲(本)」(ふほん)の文字がある銅銭「富本七曜銭」(富本銭)33枚が発掘され、日本史の教科書をも書き換える、第一級の発見となった。
この富本銭は1969(昭和44)年と1985(昭和60)年にも平城京から発掘されてはいたが枚数が少なかったため、まじない銭であろうと考えられていた。しかしこの飛鳥池遺跡の発掘調査によって、富本銭はわが国の鋳造貨幣としては和同開珎よりも古いことが確実となった。発見された富本銭は日本書紀の記述にある貨幣の可能性が高く、これについては更に研究が進むものと思われている。
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