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時に、長い訓読みがあるとして話題に上がる字。
会意文字。來(来)+㐭(りん)。
「來」は麦の象徴で農作物を表わす。「㐭」は農作物を蓄える倉の形。
「嗇」は穀物を収める倉の形で、「穡」の古字である。
惜しんで収めることから、出し惜しみをするの意となる。
大漢和辞典には、全部で12の義が書かれている。
著作権の理由により全文の引用は避け十二義の説明を省くが、その後の解字には、次のように書かれている。
【嗇】 4053 シ¯ヨク シキ 〔集韻〕殺測切 ㄙㄜ` sê4
(中略)
[解字]會意。來と㐭(もみぐら)との合字。本義は入れることを知つて出すことを知らぬ吝嗇の意。吝嗇家が惜しんで出すことを知らぬのは、恰も持つて來た穀を倉に受け入れるに似てゐるから、來と㐭とを合せて、出しをしみの意を表はす。
一說に、籒文では𥢺、或はに作り、二禾、或は二來に从ふを見れば、本義は穀物をとり入れる義で、穡の古字である。故に來(むぎ)と㐭とを合せて、とりいれの意を表はすといふ。
〔說文、嗇、段注〕說㆘从㆓來㐭㆒之意㆖也、嗇者、多入而少出、如㆔田夫之務㆓蓋藏㆒故以㆓來㐭㆒、會意。
〔說文通訓定聲〕嗇、按、籒文作㆑𥢺、从㆓二禾㆒、又作㆑从㆓二來㆒當㆘據㆓牆篆偏旁㆒補㆖又此字本訓當㆑爲㆓收穀㆒、卽穡之古文也、轉注爲㆓愛濇之義㆒。
解字によれば、大きく二つの義があるとしている。
義は吝嗇、つまり「ケチ」とし、別説として穀物を取り入れるの義とする。
康熙字典網上版には、次のように書かれている。
嗇 古文
𠻮𤲝𤳋𤲷〔唐韻〕所󠄁力切〔集韻〕〔韻會〕殺測切𡘋音󠄁色〔說文〕本作𠻮愛濇也从來从㐭來者㐭而藏之故田夫謂之嗇夫〔玉篇〕愛也慳貪也〔易說卦傅〕爲吝嗇〔左傅襄二十六年〕嗇干祻〔註〕嗇貪也 又〔老子道德經〕治人事天莫如嗇〔註〕嗇者有餘不盡用之意󠄁 又〔史記倉公󠄁傅〕脈嗇而不屬 又官名〔書胤征〕嗇天馳〔註〕嗇夫主幣之官〔詩小雅田畯至喜箋〕田畯司嗇今之嗇夫也〔史記張釋之傅〕虎圈嗇夫〔註〕正義曰掌虎圈百官表有郷嗇夫此其類也 又與穡同〔儀禮特牲饋食禮〕主人出寫嗇干房〔註〕嗇者農力之成功〔前漢成帝󠄁紀〕服田力嗇
一部、異なる字があると見込まれる。
Unicodeの資料UNICODE HAN DATABASE(UniHan)には、次のようにある。
U+55C7 kJapaneseKun OSHIMU YABUSAKA
U+55C7 kJapaneseOn SHOKU
角川書店 角川新字源 二八四版(小川環樹、西田太一郎、赤塚忠 編)に拠れば、漢音はショクである。意味として、次のように記載がある。
①とりいれ。収穫。同⃝穡。
②おしむ(をしむ)。ものおしみする。→付・同訓異義。
③やぶさか。けち。「吝嗇りんしょく」
④ひかえめにする。
⑤むさぼる。
新字源によれば、うち、「おし‐む」「やぶさか」が熟している訓であるとしており、UniHanに採用されたのは妥当ということが可能なのであろう。
別の資料として、ATOK2010の文字パレットでは、読みは、音読みは「ショク」、訓読みは「お・しむ」となっている。
この字は、なんだかとっても!いいかんじに登場する変な読みの漢字のうち、たった5つしか無いJIS X 0208収録の文字の一つである。
「なんだかとっても!いいかんじ」では、「ひかえめにする」という訓読みを与えている。この典拠は「漢字部屋2」に訓として記されていたことによる。漢字部屋は、参考文献として大漢和辞典、漢字源、新大字典、新漢語林、中華字海を挙げているが、訓を拾った元を明らかにしていない。
大漢和辞典や、(参考文献にはなっていないが)新字源では意味として「ひかえめにする」と記載しているので、これを訓として記載した可能性はある。
但しこの「ひかえめにする」は、体調をおもんぱかっていう「久しく治らない病なら、酒を勧めるのを控え目にする」という用法ではなく、「倹約」「節約」といった意味に使われる。残念ながら、歌詞での用法は誤用であろう。
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