銀白色の金属元素の一つ。
一般情報
原子情報
- 原子量: 102.90550(2)
- 電子配置:
- 1s2、2s2、2p6、3s2、3p6、3d10、4s2、4p6、4d8、5s1
- [Kr]4d8、5s1
- 原子価: 2、3
- 酸化数: −1、0、+1、+2、+3、+4、+5、+6
物理特性
- 相: 固体
- 融点: 1965℃(ICSC)
- 沸点: 3695℃(ICSC)
- CAS番号: 7440-16-6
- ICSC番号: 1247
質量数は、89から126までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は一つのみ。
同位体核種 | 天然存在比 | 半減期 | 崩壊 | 崩壊後生成物 |
89Rh | | | β+崩壊 | 89Ru |
90Rh | | | β+崩壊 | 90Ru |
91Rh | | | β+崩壊 | 91Ru |
92Rh | | | β+崩壊 | 92Ru |
93Rh | | | β+崩壊 | 93Ru |
94Rh | | | β+崩壊 | 94Ru |
95Rh | | | β+崩壊 | 95Ru |
96Rh | | | β+崩壊 | 96Ru |
97Rh | | | β+崩壊 | 97Ru |
97mRh | | | β+崩壊 | 97Ru |
IT崩壊 | 97Rh |
98Rh | | | β+崩壊 | 98Ru |
99Rh | ‐ | 16.1日 | EC崩壊 | 99Ru |
β+崩壊 | 99Ru |
99mRh | | | β+崩壊 | 99Ru |
IT崩壊 | 99Rh |
100Rh | | | β+崩壊 | 100Ru |
101Rh | ‐ | 3.3年 | EC崩壊 | 101Ru |
101mRh | | | EC崩壊 | 101Ru |
IT崩壊 | 101Rh |
102Rh | ‐ | 207.3日 | EC崩壊 | 102Ru |
β+崩壊 | 102Ru |
β−崩壊 | 102Pd |
102mRh | | | β+崩壊 | 102Ru |
103Rh | 100.00% | 安定核種(中性子数58) |
103mRh | | | IT崩壊 | 103Rh |
104Rh | ‐ | | β−崩壊 | 104Pd |
105Rh | ‐ | 1.47日 | β−崩壊 | 105Pd |
106Rh | | | | |
106mRh | | | β−崩壊 | 106Pd |
IT崩壊 | 106Rh |
107Rh | | | β−崩壊 | 107Pd |
108Rh | | | β−崩壊 | 108Pd |
109Rh | | | β−崩壊 | 109Pd |
110Rh | | | β−崩壊 | 110Pd |
111Rh | | | β−崩壊 | 111Pd |
112Rh | | | β−崩壊 | 112Pd |
113Rh | | | β−崩壊 | 113Pd |
114Rh | | | β−崩壊 | 114Pd |
115Rh | | | β−崩壊 | 115Pd |
116Rh | | | β−崩壊 | 116Pd |
117Rh | | | β−崩壊 | 117Pd |
118Rh | | | β−崩壊 | 118Pd |
119Rh | | | β−崩壊 | 119Pd |
120Rh | | | β−崩壊 | 120Pd |
121Rh | | | β−崩壊 | 121Pd |
122Rh | | | β−崩壊 | 122Pd |
123Rh | | | β−崩壊 | 123Pd |
124Rh | | | β−崩壊 | 124Pd |
125Rh | | | β−崩壊 | 125Pd |
126Rh | | | β−崩壊 | 126Pd |
安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。
酸とアルカリに非常に強い。微粉末として酸素を関らせなければ王水にすら溶けないが、熱王水には溶けるようである。
銀白色で反射率が高いためカメラ部品などにも使われるほか、電気抵抗が白金やパラジウムより小さいため電気接点材料、酸化触媒などとしても広く使われている。
光沢が美しく、変色も少ないため、メッキにも使われている。
NOxを還元する触媒作用があるため、自動車や工場の排気ガスの浄化装置に使われる。
ロジウムを主要成分とする鉱石はなく、白金やニッケルの副産物として産生する。
ロジウムは希少金属(レアメタル)だが、京都大の北川宏教授(無機化学)のチームにより、ロジウムによく似た性質を持つ合金が作られている。同教授は、以前には一つ隣のパラジウムで同様のことに成功している。
これは、原子番号で両隣の、ルテニウムとパラジウムを材料に、「足して2で割る」方法で中間のロジウム相当を作り出すという、画期的なものである。単純に両者を混ぜようとしても分離して混ざらないが、双方のイオンを含んだ水溶液のガスを加熱した有機溶媒に霧状にして加えることで、新合金粒子が作り出された。
ロジウムは自動車の排ガスに含まれる窒素酸化物を除去する能力を持つが、この合金も同様の能力を持っている。しかも、ロジウムが1グラムあたり約4千円する中で、ルテニウムが約200円、パラジウムが約2600円であり、その比率によって約400円から1400円程度で合金を作ることができる。
研究が進めば、自動車用の触媒材料などとして、供給量に限りがあるロジウムの代替として利用できる可能性があるとして期待されている。
- 引火点: (該当資料なし)
- 発火点: (該当資料なし)
- 爆発限界: (該当資料なし)
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: (該当資料なし)
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: 自然界で分解されないため、土壌や低質に残留する
- 魚毒性: (該当資料なし)
1803(享和3)年、ウィリアム・ハイド・ウォラストン(William Hyde Wollaston)によって発見された。
化学名Rhodiumは、ロジウム塩が水溶液中でバラ色を呈することから、ギリシャ語で「薔薇」を意味するρο'δον(ro'don)から付けられた。
44 ルテニウム ‐ 45 ロジウム ‐ 46 パラジウム
関連するリンク
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元素
遷移金属元素
RH