銀白色の金属元素の一つ。超ウラン元素の一つ。
一般情報
原子情報
- 原子量: [237]
- 電子配置:
- 1s2、2s2、2p6、3s2、3p6、3d10、4s2、4p6、4d10、4f14、5s2、5p6、5d10、5f4、6s2、6p6、6d1、7s2
- [Rn]5f4、6d1、7s2
- 電子殻: 2、8、18、32、22、9、2
- 原子価: 3、4、5、6
- 酸化数: 0、+3、+4、+5、+6
物理特性
- 相: 固体
- 融点: (該当資料なし)
- 沸点: (該当資料なし)
- 密度: (該当資料なし)
- 比重: (該当資料なし)
- CAS番号: 7439-99-8
- ICSC番号: (登録なし)
- 水への溶解性: (該当資料なし)
質量数は、225から244までが確認されており、その中に核異性体も存在する。
安定同位体は存在しない。全ての同位体が放射性同位体である。
崩壊の種類については一例。これとは異なる崩壊をすることもある。
同位体核種 | 天然存在比 | 半減期 | 崩壊 | 崩壊後生成物 |
225Np | ‐ | | α崩壊 | 221Pa |
226Np | ‐ | | α崩壊 | 222Pa |
227Np | ‐ | | α崩壊 | 223Pa |
228Np | ‐ | | β+崩壊 | 228U |
α崩壊 | 224Pa |
229Np | ‐ | | α崩壊 | 225Pa |
β+崩壊 | 229U |
230Np | ‐ | | β+崩壊 | 230U |
231Np | ‐ | | β+崩壊 | 231U |
232Np | ‐ | | β+崩壊 | 232U |
233Np | ‐ | | β+崩壊 | 233U |
234Np | ‐ | 4.4日 | β+崩壊 | 234U |
235Np | ‐ | 1.084年 | EC崩壊 | 235U |
α崩壊 | 231Pa |
236Np | ‐ | 11.5万年 | EC崩壊 | 236U |
β−崩壊 | 236Pu |
α崩壊 | 232Pa |
‐ | 22.5時 | | |
237Np | 微量 | 214.4万年 | α崩壊 | 233Pa |
自発核分裂(SF) | |
30Mg核放射 | 207Tl |
238Np | ‐ | 2.117日 | β−崩壊 | 238Pu |
239Np | ‐ | 2.3565日 | β−崩壊 | 239Pu |
240Np | ‐ | | β−崩壊 | 240Pu |
240mNp | ‐ | | β−崩壊 | 240Pu |
241Np | ‐ | | β−崩壊 | 241Pu |
242Np | ‐ | | β−崩壊 | 242Pu |
243Np | ‐ | | β−崩壊 | 243Pu |
244Np | ‐ | | β−崩壊 | 244Pu |
237Npはネプツニウム系列と呼ばれる崩壊系列を形成する最初の核種である。
しかしネプツニウム自体の半減期があまり長くないこともあり、自然界ではその存在は確認されていない。
ネプツニウムのようにf軌道に電子を持つ原子は、酸化状態が多数ある。
最も安定な酸化数は5価で、他に3価/4価/6価が存在し、状態に応じて色が変化する。
3価は紫、4価は黄緑色、5価は緑、6価はピンク色を呈している。
適用法令
- 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律
- 試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則等の規定に基づき、線量限度等を定める告示
危険性
- 引火点: (該当資料なし)
- 発火点: (該当資料なし)
- 爆発限界: (該当資料なし)
有害性
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: (該当資料なし)
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
環境影響
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
1940(昭和15)年、アメリカの科学者、エドウィン・マッティソン・マクミラン(Edwin Mattison McMillan)とフィリップ・ホーグ・アベルソン(Philip Hauge Abelson)によって、238Uに中性子を衝突させるという方法で作りだされた。
製法は、238U+n→239U→239Npであり、239Uのβ崩壊による崩壊後生成物として得られた。
これが、人工的に作られた最初の超ウラン元素となった。
化学名Neptuniumは、1846(弘化3)年に発見された惑星である海王星Neptuneから名前を取り、名付けられた。この海王星の名は、ローマ神話の海洋の神ネプトゥーヌス/ネプチューンに由来する。これはギリシャ神話のポセイドンに相当する。
- 弗化ネプツニウム(III) (NpF3)
- 酸化ネプツニウム(IV) (NpO2)
92 ウラン ‐ 93 ネプツニウム ‐ 94 プルトニウム
用語の所属
元素
放射性元素
遷移金属元素
希土類
アクチノイド
超ウラン元素
NP
関連する用語
中性子