銀白色の金属元素の一つ。
一般情報
原子情報
- 原子量: 157.25(3)
- 電子配置:
- 1s2、2s2、2p6、3s2、3p6、3d10、4s2、4p6、4d10、4f7、5s2、5p6、5d1、6s2
- [Xe]4f7、5d1、6s2
- 原子価: 3
- 酸化数: 0、+3
物理特性
質量数は、133から169までが確認されており、その中に核異性体も存在する。安定同位体は6つある。
- (154Gd)
- (155Gd)
- 156Gd
- 157Gd
- 158Gd
- (160Gd)
しかし、154/155/160については、長寿命放射性同位体であると考えられている。
同位体核種 | 天然存在比 | 半減期 | 崩壊 | 崩壊後生成物 |
133Gd | ‐ | | | |
134Gd | ‐ | | β+崩壊 | 134Eu |
135Gd | ‐ | | β+崩壊 | 135Eu |
136Gd | ‐ | | β+崩壊 | 136Eu |
137Gd | ‐ | | β+崩壊 | 137Eu |
138Gd | ‐ | | β+崩壊 | 138Eu |
139Gd | ‐ | | β+崩壊 | 139Eu |
140Gd | ‐ | | β+崩壊 | 140Eu |
141Gd | ‐ | | β+崩壊 | 141Eu |
142Gd | ‐ | | β+崩壊 | 142Eu |
143Gd | ‐ | | β+崩壊 | 143Eu |
144Gd | ‐ | | β+崩壊 | 144Eu |
145Gd | ‐ | | β+崩壊 | 145Eu |
146Gd | ‐ | 48.27日 | EC崩壊 | 146Eu |
β+崩壊 | 146Eu |
147Gd | ‐ | 1.586日 | EC崩壊 | 147Eu |
β+崩壊 | 147Eu |
148Gd | ‐ | 74.6年 | α崩壊 | 144Sm |
149Gd | ‐ | 9.28日 | EC崩壊 | 149Eu |
β+崩壊 | 149Eu |
α崩壊 | 145Sm |
150Gd | ‐ | 179万年 | α崩壊 | 146Sm |
151Gd | ‐ | 124日 | EC崩壊 | 151Eu |
α崩壊 | 147Sm |
152Gd | 0.20% | 108兆年 | α崩壊 | 148Sm |
(2β+崩壊) | 152Sm |
153Gd | ‐ | 241.6日 | EC崩壊 | 153Eu |
154Gd | 2.18% | 安定核種(中性子数90) |
155Gd | 14.80% | 安定核種(中性子数91) |
156Gd | 20.47% | 安定核種(中性子数92) |
157Gd | 15.65% | 安定核種(中性子数93) |
158Gd | 24.84% | 安定核種(中性子数94) |
159Gd | ‐ | | β−崩壊 | 159Tb |
160Gd | 21.86% | >3.1×1019年 | | |
161Gd | ‐ | 3.6分 | β−崩壊 | 161Tb |
162Gd | ‐ | | β+崩壊 | 162Tb |
163Gd | ‐ | | β+崩壊 | 163Tb |
164Gd | ‐ | | β+崩壊 | 164Tb |
165Gd | ‐ | | β+崩壊 | 165Tb |
166Gd | ‐ | | β+崩壊 | 166Tb |
167Gd | ‐ | | β+崩壊 | 167Tb |
168Gd | ‐ | | β+崩壊 | 168Tb |
169Gd | ‐ | | β+崩壊 | 169Tb |
安定核種に対し、質量数が大きすぎるまたは小さすぎる場合は複雑な崩壊となり、質量数が小さいと陽子放射、大きいと中性子放射が同時に起こることがある。
ガドリニウムは中性子をよく吸収する性質があり、原子炉の制御棒材料として使われている。
光磁気ディスクの磁性材料にも使われている。
- 引火点: (該当資料なし)
- 発火点: (該当資料なし)
- 爆発限界: (該当資料なし)
- 刺激
- 腐食性: (該当資料なし)
- 刺激性: (該当資料なし)
- 感作性: (該当資料なし)
- 毒性
- 急性毒性: (該当資料なし)
- 慢性毒性: (該当資料なし)
- がん原性: (該当資料なし)
- 変異原性: (該当資料なし)
- 生殖毒性: (該当資料なし)
- 催畸形性: (該当資料なし)
- 神経毒性: (該当資料なし)
- 分解性: (該当資料なし)
- 蓄積性: (該当資料なし)
- 魚毒性: (該当資料なし)
1794(寛政6)年、ヨハン・ガドリン(Johan Gadolin)によりストックホルム近郊のイッテルビー村で採取された鉱物から発見された。後にこの鉱物はガドリン石と呼ばれるようになり、またガドリンはこの元素にイットリアと命名した。但し、このイットリアは実際には純粋ではなく、その後の研究により、最終的には九種類もの希土類元素が含まれていた。
またこれとは別に、当時一つの元素だと考えられていたジジミウムも、実は混合物であった。こうして、このジジミウムから次々と元素が単離されていった。
スイスの化学者マリニャックは、1880(明治13)年に元素を発見した。1886(明治19)年、フランスのボアボードランにより、この元素が未知の元素であることが見いだされた。
元素名は、希土類元素を発見したガドリンにちなむ。ボアボードランはガドリンの功績を讃え、この名を命名した。
具体的には、次のように単離されている。ジジミウムの系統樹は次のとおり。
イットリアの系統樹は次のとおり。
- 酸化ガドリニウム(III) (Gd2O3) (12064-62-9)
63 ユウロピウム ‐ 64 ガドリニウム ‐ 65 テルビウム
用語の所属
GD
用語の所属
元素
ランタノイド
遷移金属元素
希少金属