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通常の音声のほかに他の音声(副音声)が入っていることで、一般にはテレビジョン音声多重放送のことを表わす。日本では1982(昭和57)年から開始された。従来モノラルだったアナログの音声信号をステレオ音声とするもので、FMラジオ(1969(昭和44)年〜)やAMステレオ放送(1992(平成4)年〜)と同等のもの。
テレビ用電波の1チャンネルは6MHzの帯域がある。この帯域の下側4.2MHzはAM変調された映像信号があり、そのすぐ上に500kHz(4.5MHz±250kHz)でFM変調された音声信号がある。
音声多重では、変調されていないベースバンドのモノラル和信号(L+R)または2ヶ国語の主音声の上の帯域に、FM変調した差信号(L-R)もしくは2ヶ国語の副音声を重畳する。更にその上の帯域にステレオ放送と2ヶ国語放送を識別するためのAM変調された制御信号を重畳し、全体をFM変調したものがテレビの音声信号である。モノラル音声や主音声がベースバンド部分に置かれているため、音声多重未対応の機器でも問題なく再生できるという利点がある。制御信号は、ステレオ放送中は982.5Hz、2ヶ国語放送中は922.5Hzの正弦波である。
音声多重方式は国ごとに仕様が異なっていて、日本で使われているものは日本独自のものである。
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