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無線通信において、基地局から発信された電波が直接届かず、反射することによって複数の経路を通って受信アンテナに届いてしまう現象。
携帯電話の場合、都会のビルの谷間などでよく発生する。
また、この電波が屋内に入ったり、あるいは最初から屋内で使われる無線LANでは、電波が床や壁で反射、屈折、散乱する状態になる。
複数の異なる経路をたどった電波は互いに干渉し、電波強度を著しく変動させる。こういったフェージングの現象を「マルチパスフェージング」という。
反射して届く電波は空間を伝わる距離が変化するため、直接届く電波よりも長い距離を飛ぶぶん、受信機(携帯電話機や無線LAN装置)に届くまでに微妙に時間がずれてしまう。
結果、同じ信号が複数、時間がずれて届くという問題を生じさせ、まるで「こだま」のような状態になるので、受信機側は最悪、その電波の信号を正常に認識できず、圏外にいるような動作をしてしまうこともある。
また、かつての地上アナログテレビジョン放送では、ゴーストと呼ばれる、画面で像がずれて重なって表示される現象が生じた。
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