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日本の電話回線のうち、トーン信号と呼ばれる音(DTMF)を利用してダイアルするもの。
電電公社のサービス開始当時より、長くプッシュ回線契約では「プッシュ回線の付加機能使用料」(以下、プッシュ回線利用料)として390円が必要だった。つまり、プッシュ回線はダイアル回線より390円高い。
これは、サービス開始当時はまだアナログ交換機の時代であったため、トーン信号を読み取る装置を配線毎に設置しなければならず、コストが掛かったためである。
やがてディジタル交換機が普及すると、トーンダイアル方式の方が合理的でコストが安くなった。なぜなら、ディジタル交換機には標準でDTMFを読み取る機能が付けられるからである。一方、パルスダイアルの方が特殊な装置を設置する必要が発生したため、コスト面で立場が逆転した。
しかしNTTは、パルスダイアルより便利だからとして、この付加機能使用料は廃止しなかった。
2004(平成16)年頃から、直収電話サービスが活況を帯びてきた。
この中で、KDDIメタルプラスはサービス当初からプッシュダイアルを無料で提供し、話題となった。対抗のため、NTT以外の直収電話サービス競合他社は、次々とプッシュ回線の無料化を行なうことになった。
こうなると、NTTのサービスはますます割高感が高まり、やがてNTTから顧客流出を招くと見られた。このためNTTも2005(平成17)年1月からプッシュ回線利用料を廃止して基本料金をパルスダイヤルと同額とし、同時に全体的に基本料金の値下げを行なった。
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