3GPP周波数

読み:さんジー・ピーピー・しゅうはすう
品詞:名詞

3GPPによって標準規格化された、GSMW-CDMA(UMTS)携帯電話機およびLTE用の周波数割り当て方法の俗称。

目次

3GPP周波数とされる周波数帯の定義は、次の3種類がある。

  • GSMの帯域
  • UTRA(いわゆるW-CDMA) つまり3G電話用の定義
  • E-UTRA つまりLTE用の定義

3GPP TS 25.101で定義されるUTRAのバンドの名前はローマ数字、3GPP TS 36.101で定義されるLTEバンドの名前はアラビア数字で表記されている。

うち日本では、W-CDMAで6帯域が使われている(キャリアと端末により1〜4帯域)。GSMも、世界的に使われているのは4帯域程度である。

種類

W-CDMAで使われる周波数は各国の事情から様々だが、現在は概ね次の四種類に分類できる(周波数順)。

  • 2100MHz帯 ‐ 日本、アジア、欧州
  • 1900MHz帯 ‐ 北米
  • 900MHz帯 ‐ 英国、豪州、タイなど
  • 850MHz帯 ‐ 豪州、米国

移動端末用周波数は800MHz〜2.7GHzの範囲で、800/900MHz帯と1.7〜2.0GHz帯に配置が集中している。

しかし、現時点では全世界で使用できる周波数帯は無いことから、どの帯域を搭載するかが、移動端末設計の重要な要素となっている。

周波数帯

周波数帯は、3GPPの技術仕様書TS 25.101などに記載されている。以下は、3GPP TS 25.101 V12.1.0(2013-09-27)時点でのもの。

帯域名通称周波数(MHz)使用地域、用途
上り(TX)下り(RX)送受間隔
バンドⅠ21001920‐19802110‐2170190Global(南北米を除く)
バンドⅡ19001850‐19101930‐199080米国
バンドⅢ18001710‐17851805‐188095欧州
バンドⅣ 1710‐17552110‐2155400米国
バンドⅤ850824‐849869‐89445米国、米国ローミング用
バンドⅥ800830‐840875‐88545日本、バンドⅤの一部
バンドⅦ26002500‐25702620‐2690120世界中で使用
バンドⅧ900880‐915925‐96045欧州、日本
バンドⅨ17001749.9‐1784.91844.9‐1879.995日本、バンドⅢの一部
バンドⅩ 1710‐17702110‐2170400米国
バンドⅩⅠ15001427.9‐1447.91475.9‐1495.948日本
バンドⅩⅡ700699‐716729‐74630Lower 700MHz(US)
バンドⅩⅢ700777‐787746‐75631Upper 700 C block(US)
バンドⅩⅣ700788‐798758‐76830Upper 700 D block(US)
バンドⅩⅤ予備
バンドⅩⅥ予備
バンドⅩⅦ予備
バンドⅩⅧ予備
バンドⅩⅨ800830‐845875‐89045FOMAプラスエリア
バンドⅩⅩ800832‐862791‐82141欧州
バンドⅩⅩⅠ15001447.9‐1462.91495.9‐1510.948 
バンドⅩⅩⅡ 3410‐34903510‐3590100 
バンドⅩⅩⅤ19001850‐19151930‐199580 
バンドⅩⅩⅥ 814‐849859‐89445 

状況

当初のFOMAは、2GHz帯のバンドⅠ(2100)を使用する端末だった。

FOMA 902iS以降の1.7GHz帯対応機は、バンドⅠ(2100)、バンドⅥ(800)、バンドⅨ(1700)に対応したトライバンド機である。更に、米国やグアムでの3Gローミング対応機種はバンドⅤ(850)にも対応したクアッドバンド機である。

バンドⅩⅠは、いわゆる1.5GHz帯であり、古くは2G携帯電話用として使われ、後にLTE用となった。

帯域が重複しているものもある。バンドⅥ(800)とバンドⅩⅨ(800)はバンドⅤ(850)の一部であり、バンドⅨ(1700)はバンドⅢ(1800)の一部であるが、名称が異なるものは、互いに別のバンドとして扱われており技術的に区別されている。

使用バンド

日本におけるW-CDMAキャリアは、NTTドコモソフトバンクモバイルイー・モバイルの3社で、各社のバンドの使用状況は次のとおりである。

キャリアバンド
ⅩⅠⅩⅡⅩⅢⅩⅣⅩⅨ
NTTドコモFOMA              
FOMAプラスエリア             
FOMA 1.7GHz帯              
ソフトバンクモバイル            
イー・モバイル              

LTEは、3G携帯電話機とは別にバンドを割り当てている。

これは俗に「LTEバンド」と呼ばれている。

元々は900MHz帯で開始されたが、回線混雑対策として周波数帯を広げた結果、様々な帯域が使われるようになった。

よく使われる4帯域は次の通り。

帯域名周波数(MHz)使用地域、用途
上り(TX)下り(RX)送受間隔
GSM850824‐849869‐89445米国、バンドⅤと同じ
GSM900880‐915925‐96045欧州・アジア、バンドⅧと同じ
GSM18001710‐17851805‐188095欧州・アジア、DCS帯、バンドⅢと同じ
GSM19001850‐19101930‐199080米国、PCS帯、バンドⅡと同じ
用語の所属
3GPP
関連する用語
W-CDMA
GSM
LTEバンド
Band Class

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