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1980年代後半〜1990年代前半(昭和末〜平成初頭)に蔓延していた、使用済みのテレホンカードを加工することで不正利用できるようにしたテレホンカード。
「偽造テレカ」と言われたりする事もあったが、これは日本語的には間違いである。
テレホンカードは磁気カードであるので、磁気情報をちょいちょいと書き換えてしまうことも、技術的には可能であった。こうして内容を変造したものが変造テレカである。
磁気カードというのは記録可能な情報量がそれほど多く無いため、現在のICカードのような、頑強な暗号化を施して記録することは難しく、セキュリティはかなり甘かった。
明らかに異常な情報が書かれていれば変造だと判定することができたが、データの辻褄があっていた場合は、それを見抜くことができなかったのである。
NTTは変造テレカの急増により同事業が一挙に赤字化したため、公衆電話の改良(変造カードだと返さずにNTTの人間を呼ぶなど)や、変造テレカ一掃キャンペーン(NTT職員が上野駅前あたりで「変造テレカを使うのはやめましょう」ティッシュを配るなど)を行なった。
しかし、当時の法律では変造テレカを売る行為は合法で、利用するのが違法、ということもあって、売り子がいないのはキャンペーン中だけ、というような状況だった。
変造テレカを売る連中は外人であった。
彼らはテレカが重なって5cmくらいの厚さになったものを持って、通る人たちに「テレホンカード〜テレホンカード〜」と売っていて、警察が来たらその持っている変造カードを渡すだけ(その必要も本来は無いが、すんなり渡す)。
そして、警察がいなくなったらロッカー(京成上野駅にはたくさんコインロッカーがある)から、また同じくらいの量のカードを持ってきて売り始める、ということの繰り返しだった(コインロッカーの中一杯に入ってる変造テレカは壮観だったといわれる)。
現在は殆ど出回っていないが、これは、一つは景気が悪くなっていよいよ外人が帰国したこと、もう一つは携帯電話の普及で公衆電話自体の数が減ったことが挙げられる。
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