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NTT(分割前)により1998(平成10)年2月より開始された、発信元の電話番号を相手先に伝えるための技術および商品名。米国での類似サービスはCaller IDと呼ばれている。利用には専用に対応した電話機が必要。姉妹サービスにナンバー・アナウンスがある。
ISDN同様アナログの電話回線でも大昔から交換機は電話番号を伝送しており、これでNTTが "距離での課金" を実現していたが、これはピュアな電話番号であるため一般にはまず公開できない情報である。そこで、この課金用情報を交換機が処理し、ある程度の検閲を掛けてから番号を伝えるようにしたのが、このナンバー・ディスプレイ機能である。検閲条件としては、発信元が番号非通知になっていたり、番号の頭に184(イヤヨ)を付けていたり、又は公衆電話が発信元の場合などである。番号が無い場合に着信させなくするにはナンバー・リクエストというオプションサービスの契約が必要である(別料金)。
また、キャッチホン又はキャッチホンⅡを利用していて、割り込み電話でも番号通知が必要な場合には "キャッチホン・リクエスト" というオプションサービス対応の電話機と契約が必要である(別料金)。
更に番号だけでは分かりづらいということで、契約者名を通知するオプションサービス「ネーム・ディスプレイ」も開始された。番号と共に名前も表示するには、ネーム・ディスプレイ対応の電話機と契約が必要である(別料金)。
但し、ここで通知される番号については、絶対の信頼性があるわけではないことをNTTもアナウンスしている。NTTだけで終結するなら問題はないところだが、現在電話サービスを提供しているのはNTTだけではない。NTT以外の電話会社から発信ないし中継されている場合、その番号が信頼できるものかどうかは会社次第となるうえ、日本国内だけでもYahoo!のように明らかに信頼ならない電話会社が存在するからである。また海外にも、コールバックに好きな発信番号を登録できるようにしている、とんでもない会社があるために、これを悪用した振り込め詐欺(オレオレ詐欺)などもあって社会問題となっている。
実際に交換機から着信先へ電話番号を伝える方法は、いわゆるモデムのような手順で制御されている。但し、相手側の電話機がナンバー・ディスプレイに未対応の場合(機材を付けてない場合も同様)には、データ受送信の合図である着信音の高速な音(ピギャーという音)がベルとなって出てしまうため、それを取った場合に電話が切れてしまうとう障害が起こる。この問題によりナンバー・ディスプレイの初日には20万件もの苦情電話がNTTに殺到したと報じられている。もちろん電話機がナンバー・ディスプレイに未対応にも関らずナンバー・ディスプレイに申し込んでしまった人も問題なのだが、そのようなケースを想定しなかったNTTにもある程度の責任はあると思われる。
コラム(ナンバー・ディスプレイ対応一覧表) 凡例) ◎ 無料で利用可能 ○ 着信側で追加料金が必要になる ┏━━━━━━━┳━━━┳━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━┓ ┃\ 発信元 ┃加入 ┃ ┃ PHS ┃ 携帯電話 ┃ ┃  ̄ ̄\__ ┃ 電話┃ ISDN ┠───┰───╂───┰───┨ ┃着信先 \┃ ┃ ┃NTT網 ┃独自網┃ G1 ┃G2以降┃ ┣━━━━━━━╋━━━╋━━━╋━━━╋━━━╋━━━╋━━━┫ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃加入電話 ┃ ○ ┃ ○ ┃ ○ ┃ ○ ┃ ○ ┃ ○ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃一部×┃ ┃ ┃ ┠───────╂───╂───╂───╂───╂───╂───┨ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ISDN ┃ ○ ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ○ ┃ ◎ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃一部×┃ ┃ ┃ ┠───────╂───╂───╂───╂───╂───╂───┨ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃PHS ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ? ┃ ◎ ┃ ┃ (NTT網)┃ ┃ ┃ ┃一部×┃ ┃ ┃ ┠───────╂───╂───╂───╂───╂───╂───┨ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃PHS ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ┃ (独自網)┃一部×┃一部×┃一部×┃一部×┃一部×┃一部×┃ ┠───────╂───╂───╂───╂───╂───╂───┨ ┃アナログ携帯電┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃話(TACS/HICAP)┃ ○ ┃ ○ ┃ ○ ┃ ○ ┃ ○ ┃ ○ ┃ ┃ (既に廃止済) ┃ ┃ ┃ ┃一部×┃ ┃ ┃ ┠───────╂───╂───╂───╂───╂───╂───┨ ┃ディジタル携帯┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃電話 ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ◎ ┃ ┃G2 PDC/G3以降 ┃ ┃ ┃ ┃一部×┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━━┻━━━┻━━━┻━━━┻━━━┻━━━┻━━━┛
結論としての対応状況だが、一般のアナログ回線(加入電話)では契約と対応電話機なくしては番号の受信は一切できない。
ISDN回線の場合は以前より標準で番号通知が可能で、基本料の中に既にサービスの分が含まれている。しかし、これはISDN↔ISDNや、ISDN↔携帯電話、携帯電話↔ISDNを使うPHS、などに限定される。一般のアナログ回線から掛けた電話の場合は標準では番号の通知が受けられないため、もし番号を受け取る必要がある場合には "INSナンバー・ディスプレイ" というオプションサービスに加入しなければならない(別料金)。現実的には大半の電話がアナログなので、実際に当機能を利用したいと思えば追加サービスへの加入が余儀なくされることになる。なお、TA経由で一般加入電話用電話機を使っている場合は、TAの対応と対応電話機が各自必要である。
PHSはNTTのISDN回線を用いたNTT網と、アステル北海道/東北/中部/北陸/四国のような自社回線を使用する独自網とがある。NTT網では発着ともに通知可能だが、一部独自網ではできない。
携帯電話は、かつてのTACSのようなアナログ携帯電話の場合は交換機から番号が発信されるがTACS端末自身にはこのような機能がなかった。そのためTACSから番号発信はできるが TACSへの着信はできなかった。ディジタル携帯電話(PDC以降)では全機種で番号の発着信は可能である。
加入電話のナンバー・ディスプレイの基本料金は400円(税込420円)、INSナンバー・ディスプレイの基本料金は600円(税込630円)である(但し事務用契約場合は加入電話、加入電話・ライトプラン等で1,200円(税込1,260円)、INSネット64、INSネット64・ライトで1,800円(税込1,890円)、INSネット1500の場合は18,000円(税込18,900円)という特別料金となる)。契約時に必要な工事費は一律一回線毎に2,000円(税込2,100円)となっている。
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