e-one

ソーテックが1999(平成11)年7月20日に発売した、ディスプレイ(CRT)一体型の安価なMicrosoft Windowsパソコン。スケルトンのブルーとホワイトのツートンカラーのボディを採用し、安価にも関らず比較的高性能だったため人気商品となるが、デザインが iMacの模倣であるとして1999(平成11)年8月24日にApple Computerに提訴された。1999(平成11)年9月20日に東京地方裁判所が製造および販売を禁止する仮処分を決定。2000(平成12)年1月14日には裁判所からの提案でApple Computerとソーテックが和解し、1千万円の和解金を支払った上で製造、販売および輸出が完全に禁止されることとなった。

Apple Computerから提訴され、東京地方裁判所の仮処分を受けた段階ではソーテックは「e-oneのデザインは事前に辯護士とも相談した上でのもので、法的になんら問題のあるようなデザインでは無い」と強気のコメントを繰り返していたが「相手が大メーカーである以上面子もあり、このまま続けても長期化するだけで良いことは何も無い」として和解を選択したとしている。

なお、スケルトンタイプが販売禁止になった直後の1999(平成11)年9月28日からミレニアムブルーと呼ばれる銀色カラーの新型が登場している。これに関してソーテックは「元々ビジネス向けのモデルとして当初からスケルトンでないe-oneの発売は計画されており、それがスケルトンタイプの発売禁止のために、前倒しで発売されただけのもの。半透明でない単色のボディであれば仮処分にも違反しない」としている。スケルトンの前機種と区別するため、搭載CPUのクロックから前機種を "e-one 433"、新機種を "e-one 500" と呼称している。e-one 500についてもApple Computerは仮処分違反を検討するとしていたが、和解により販売が認められることとなった。

コラム(e-one 433仕様)
Celeron 433MHz, Intel 440LX ChipSet, メモリー64Mバイト, HDD 8.4Gバイト, 24
倍速CD-ROM, 3モードFDD, ビデオチップATI RAGE XL(AGP 8Mバイト), 15
インチCRT一体型, PCMCIA TypeⅡ×2 または TypeⅢ×1, 10BASE-T×1,
USB×2, 56kbpsモデム×1, コンポジット映像信号入力×1, パラレル×1,
ジョイスティック/MIDI×1.
376(W)×408(D)×381(H)mm, 重量18kg, Windows 98搭載.
コラム(e-one 500仕様)
Celeron 500MHz, HDD 13Gバイト, Windows 98 SE搭載. メモ
リ64Mバイト版と128Mバイト版の2種類がある. それ以外は e-one 433 と
同様.

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