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日本で行なわれた、日本初の分散コンピューティング計画。グリッドコンピューティング実験の一つ。
現在、コンピューターの性能は大きく向上し、通常の運用では能力があり余る状態となっている。その一方で、コンピューターの性能をより多く必要としている人がいる。
そこで世界中で分散コンピューティングが実験されている。パーソナルコンピューターの所有者一般が登録すれば、そのコンピューターの余剰計算能力を提供することができる。この技術実証のために、株式会社NTTデータによりサービスが提供されたものがcell computingである。
将来的には計算能力の販売を目指し、その準備段階としてインターネット実証実験を実施した。
しかし、今後ビジネス化可能な見通しが無いこと、PCグリッドを用いたインターネット上での分散コンピューティングプロジェクトが普及しつつあること等から研究としての役割を終えた、として2008(平成20)年3月31日をもって「cell computing βirth」プロジェクトの終了が宣言されている。
初の大規模実証実験では、二つのプロジェクトが試験的に行なわれた。
一つは「遺伝子病治療研究プロジェクト」、もう一つは「光マイクロプロセッサープラットフォーム実現プロジェクト」である。
遺伝子病治療研究プロジェクト、BOLERO(Bio Odyssey of Lateen Explorer for Repeated Objects)は、ヒトゲノムの解析を実施した。
担当企業は東亞合成株式会社、後援は名城大学総合数理教育センターで、この解析によりクロイツフェルト・ヤコブ病や2型糖尿病(日本人に多い糖尿病)に利く新薬が出来る可能性がある。実験では20番、21番、22番、13番、14番染色体までの解析が行なわれた。
光マイクロプロセッサープラットフォーム実現プロジェクト、OPAL(Optical Property AnaLyzer (of photonic crystals))では、現在のパソコンより1000倍も早いパソコン(光コンピューター)や光ルーターなどを実現させるための研究である。
担当企業は日本電信電話株式会社 NTT物性科学基礎研究所である。
全ての方向からの光の進入を禁止される帯域(ハンドギャップ)の大きいフォトニック結晶構造の候補を探した。最終的に116個の結晶構造を見つけることができた。
2005(平成17)年から2008(平成20)年3月31日まで行なわれた実証実験が「cell computing βirth」である。
参加順に、次のプロジェクトが実行された。
TVアニメーション「エレクルnico」のショートムービー製作を行なう。
CGアニメのうち、レンダリングと呼ばれる作業を実施した。
花粉飛散経路探索プロジェクト。
関東圏の杉植生情報、気象情報、地形情報を解析することで、杉花粉の発生源と飛散場所の解明に挑む。
発生源別の各地点への花粉飛散量の寄与度、影響の強い発生源、経路の探索などの解明に貢献する。
関ヶ原の合戦映像のシーンファイルを元に、超高精細度のCG映像を制作する実証実験。
デジタルハイビジョンアニメーションの製作。物語の舞台となる、重厚で幻想的な洋館の3D映像の製作に挑戦。
約30秒のFull-HD(1920×1080p, 30fps)作品のパイロット版の製作と一般公開を目指す。
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