型キャスト

読み:かたキャスト
外語:type cast 英語
品詞:名詞

C(やその流れを汲む言語)において、明示的な型変換演算のこと。

目次

例えば、int型変数varの値をunsignedとして扱いたい場合、

(unsigned)var

のように書くことで、unsigned型として扱うことができる。

この時、型変換の副作用で値に丸めなどが生じることがある。

明示的型変換

C/C++では、汎整数拡張などを含め、暗黙的に型変換されることがある。

しかし暗黙的な型変換が不可能な状況というものは往々にして存在し、この場合は明示的に記述して型変換をせねばならない。

C/C++

Cでは、「(type)a」という記法のみが用意されていた。

C++では、「type(a)」という記法が可能になったほか、様々な型キャスト演算子が追加されている。

  • (type)a … 型キャスト(Cスタイル)
  • type(a) … 型キャスト(関数スタイル)
  • const_cast<type>(a) … const型キャスト
  • dynamic_cast<type>(a) … 動的型キャスト
  • static_cast<type>(a) … 静的型キャスト
  • reinterpret_cast<type>(a) … 強制型キャスト

Cスタイルキャスト

C++でも、Cスタイルキャストを使う者は多い。

しかし、Cスタイルキャストまたは関数スタイルのキャストは、互換性の無い型変換が可能なほか、コンパイラーも、エラーはおろかワーニングすら吐かないことがある。このため、バグが混入しやすい。

ポインターとintやlongとの相互変換などは朝飯前で、UnicodeのUTF-16を要求するようなWindows APIの引数に「(LPCTSTR)"HOGE"」などと書いてコンパイルだけ通してしまうことも余裕である(もちろん動かないが)。

一方、C++スタイルの型キャストは、reinterpret_castを除き、安全でない変換をしようとすると、エラーになる。したがって、reinterpret_castを使う前に、その変換が本当に正しいのかどうかの判断をすることが可能で、またプログラムを書いた後も、reinterpret_castを見れば安全でない変換をしていることが一目で分かる。C++では、バグを避けるため、面倒でもC++スタイルの型キャストを使うべきである。

関連する用語
C

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