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かつて存在した、SCSIホストアダプターで有名なボードメーカー。事実上の業界標準だが、総じて価格は高かった。
1981(昭和56)年に創業以来、SCSIのホストアダプターや、RAIDコントローラーのメーカーとして広く名が知られるメーカーとなった。
パーソナルコンピューターでのマルチタスクOSの時代の黎明期、バスマスター方式のSCSIホストアダプターでデファクトスタンダードの地位を築いた。
初期のパーソナルコンピューターではSCSIは無くてはならないインターフェイスではあったが、時代は変わり、ATAが標準化され、また外部インターフェイスもUSBが普及するようになると、SCSIの需要は激減することになる。
Adaptecは様々な製品を手がけていたメーカーだったが、1998(平成10)年11月、ST Microelectronicsに半導体部門であるPeripherals Technology Solutions部門を売却し、RAIDコントローラーのベンダーとなる。万人が必要としたSCSIコントローラー程ではないにせよ、RAIDは一定の需要があった。
2007(平成19)年3月、投資ファンドのスティールパートナーズに株式10.7%が取得され、経営陣の退陣が求めるようになってきた。
Adaptecは企業維持のため、経営陣とファンド間で対立は深まるが、スティールパートナーズ側は株式の買収を更に進めた結果、株式を14.6%まで取得、遂にスティールパートナーズ傘下に入り、元経営陣は退陣を余儀なくされた。
2010(平成22)年5月、遂にAdaptec唯一の事業であるRAIDコントローラーやAdaptecブランドをPMC Sierraに売却することで合意、翌月に売却が完了した。
これにより、Adaptechば事業実態のない会社になりはててしまった。
スティールパートナーズは、焦土化経営を目的とした濫用的買収者であった。
Adaptecはブランドを売却したこともあり、社名をNASDAQの登録名と同じADPTに変更した。
ADPT社は、ほぼ実態のない金融会社となった。このためNASDAQは上場廃止を決定、遂に歴史の長かったAdaptec社は、表舞台から消え去ったのである。
Adaptecブランドやその事業はPMC-Sierraに買収されたが、既存の製品の殆どは、そのまま販売およびサポートが継続されている。
このため、製品自体はしばらくの間生き延びるものと見込まれている。
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