ア | イ | ウ | エ | オ |
カ | キ | ク | ケ | コ |
サ | シ | ス | セ | ソ |
タ | チ | ツ | テ | ト |
ナ | ニ | ヌ | ネ | ノ |
ハ | ヒ | フ | ヘ | ホ |
マ | ミ | ム | メ | モ |
ヤ | ユ | ヨ | ||
ラ | リ | ル | レ | ロ |
ワ | ヰ | ヴ | ヱ | ヲ |
ン |
A | B | C | D | E |
F | G | H | I | J |
K | L | M | N | O |
P | Q | R | S | T |
U | V | W | X | Y |
Z | 数字 | 記号 |
SARS-CoV-2(武漢肺炎ウイルス感染症の病原体)のうち、ボツワナで最初に発見された変異株の代表となる系統 B.1.1のうちの一系統。
WHO名のオミクロン株が該当する。
Pango系統での分類で別名BAが与えられているが、更にサブグループにBC、BE、BFの別名が与えられている。
これを著している時点で次のサブグループに分けられているが、大きくBA.1(元々のオミクロン株)、BA.2(その後優勢になった感染力の強い株)、その他の系統がある。またイギリスで、BA.1とBA.2のハイブリッドである未知のXE株も発見されている。
実際の発生地は未詳だが、ボツワナ共和国で最初に発見された後、隣国の南アフリカ共和国で蔓延が確認された。その後、香港でも南アフリカからの旅行者で確認されている。
アルファ株などで感染力を高める働きがあったとみられている「N501Y」の変異を有するが、感染力で全世界に蔓延した系統 B.1.617.2(デルタ株)を特徴付ける変異「L452R」は有していない。
このB.1.1.529株(いわゆるオミクロン株は、従来の変異株と比べて次のような特徴が知られる。
初期症状と重症化率については、以降の説明も参照のこと。
従来型と比して伝播性が高く、免疫逃避能も高いため短期間で再感染がありうる。これは自然感染による集団免疫は望みにくく、自然に減ることはあまり期待できないことを意味している。
「初期症状の軽さ」と、その後起こる「肺炎症状の重症度」に相関はない。むしろ初期症状が軽すぎると風邪と誤認され、重症化するまで病院での検査をしないために手遅れになる可能性が上がるので注意が必要である。肺炎症状が始まり重症化した後では、初期症状用の治療薬は使えない。
「重症化率が低い」とは、決して「重症化しない」という意味ではない。2022(令和4)年1月現在、感染の95%がオミクロン株の米国においても入院と重症例が急増しており、ニューヨーク市では入院患者数がデルタ株のピークを越えている。また死者数も、より重症化しやすいデルタ株を上回っており、死亡者の殆どはワクチン未接種者である。
また「重症化率」については、既に充分にワクチン接種が行き渡った状態でのものであり、つまりワクチン接種済みの人を含めたものである。未接種者は従来株と同様に重症化し、死亡する例が多数確認されているため、決してウイルスが弱毒化したわけではない。従来のワクチンが有効であるという意味である。
先に全世界で蔓延した系統 B.1.617.2(デルタ株)を上回る感染力を持っている。
日本では、2022(令和4)年1月の月頭頃はまだ系統 B.1.617.2(デルタ株)が優位だったが、月末頃には系統 B.1.1.529(オミクロン株)にほぼ置き換わった。このように、あっという間にデルタ株を置き換えて蔓延の主流となったが、この理由はいくつか分かってきている。
スパイク蛋白質の変異のうち、H655Y、N679K、P681Hの三つはスパイク蛋白2箇所の開裂部位(S1/S2)の近くにあるため、これが感染力の増加に関わっている可能性があると考えられているが、これを著している時点では不明である。
プレプリント(preprint)の論文だが、皮膚などの上で他の変異株よりも長く生存するという研究が発表されている。
これによると、次のようだという。
オミクロン株は他の変異株よりも環境表面生存時間が長く安定しており、デルタ株より1.7倍も皮膚などの上で生存するとしている。これが感染しやすさ、感染拡大に影響しているものと予想される。
ただ一般的な消毒用アルコールで充分に不活化ができるようである。
系統 B.1.1.529.1の、スパイク蛋白質は元々の株(武漢株)に対して32の変異が見つかっている。変異は次の通りである。
系統 B.1.1.529.1の、非スパイク蛋白質の主な変異は次の通りである。
コメントなどを投稿するフォームは、日本語対応時のみ表示されます