幻覚剤の一つ。リゼルギン酸ジエチルアミド。正式にはLSD-25という。俗にアシッド、エルなどと呼ばれる。
LSD
1938(昭和13)年、スイスのサンドス製薬でアルベルト・ホフマン(Albert Hofmann)博士により合成された。これはライ麦に寄生する麦角菌に含まれるアルカロイドのリゼルギン酸から合成される。
強力な薬物で、ごく微量で効果が現われる。胃や腸からの吸収率が高いため、経口で用いる。市場にはあまり出まわっていない。
LSDの効果は、感情の増幅作用である。
大脳に入る情報を調整する視床を操作することにより、光、音などといった外からの情報や、普段は感じない脳の中の情報を流れ込ませる。そのため、目を閉じてもまぶしい、といった状態になる。
ごく少量で半日以上のトリップをもたらす。
身体依存は確認されていないが、気分がすぐれない時に使うとバッドトリップしやすいとされる。
また、遺伝子に影響を与え、畸形児が誕生する確率を上げる、という報告もあるようだ。
1960年代に、LSD使用者が自殺したり、中毒性精神病(要するに統合失調症(精神分裂病))になったりしたため、その後LSDは厳しく規制されることとなった。
なお、この薬を実際に何度も試している開発者アルベルト・ホフマンは満102歳没で、意外に長生きをしている。いわゆるジャンキーのように、無謀な使い方をしなければ、健康に問題を来たすことはないのだろう。
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