第三宇宙速度

読み:だいさん・うちゅうそくど
外語:third astrnomical velocity 英語
品詞:名詞

宇宙速度のうち、地球から公転方向に打ち上げたとき、太陽を基準とした太陽系離脱軌道にのせることができる速度のこと。

目次

簡単には、地球と太陽の重力を振り切るために必要な速度である。

例えば人工衛星をこの速度で打ち上げた場合、太陽系外の恒星間空間へと進んでゆく人工衛星(つまるところ惑星探査機)となる。

地球より外側の惑星などを探査する惑星探査機を打ち上げる場合、大抵は太陽系外の探査も兼ねることが多いため、第三宇宙速度以上の速度が必要になる。ロケットでの打ち上げ+探査機のエンジンでの加速だけでは不足するため、スイングバイ航法を用いて加速することが多い。

まず、G:万有引力定数、S:太陽の質量、Re:地球の公転半径とする。

ここで第一宇宙速度の式において、Meの代わりにS、rの代わりにReと置くと、地球の公転速度veとして、次の式が得られる。

ve=√(GS/Re)

同様に第二宇宙速度の式において、Meの代わりにS、rの代わりにReと置くと、太陽を基準とした太陽系脱出のための速度vsとして、次の式が得られる。

vs=√(2GS/Re)

∴ vs=√(2ve)

相対速度まで

求められた二つの式に、次の値を代入する。

  • 万有引力定数: G=6.67×10−11[N⋅m2/kg2]
  • 地球の半径: R=6.36×106[m]
  • 太陽の質量: S=1.99×1030[kg]
  • 地球の公転半径: Re=1.5×1011[m](=1au)

以上を代入して式を解くと、次の結果が得られる。

ve=29.7×103[m/s]

vs=42.1×103[m/s]

このとき、地球から見た相対速度ve0はvs−veなので、次の結果となる。

ve0=vs−ve=12.4×103[m/s]

第三宇宙速度

求められた式より、エネルギー保存則から、次が求められる。

なお、v3が求める第三宇宙速度、G:万有引力定数、Me:地球の質量、m:人工衛星の質量、R:物体間の距離=地球半径、とする。

m×v32×1/2 − GMem/R = mve02×1/2

これをv3について解いたもの、つまり次の式の解が第三宇宙速度である。

v3=√{(2GMe/R) + (ve02)}

これに前述までの値と、相対速度算出までに使われていない次の定数を入れて解けば、解が得られる。

  • 地球の質量: Me=5.97×1024[kg]

v3=16.7×103[m]

∴ v3=16.7[km]

こうして、約16.7km/s(14.4km/cBeat)が得られる。

関連する用語
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