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熱伝導における不可逆性の法則。
大きく二つの柱からなり、一つはクラジウスの原理「熱は低温部から高温部へひとりでに移動しない」、またはトムソンの原理「熱の全部はひとりでに力学的仕事に変わらない」こと。この両原理は、表現は異なるが言わんとしていることは等価である。
もう一つは、不可逆断熱過程ではエントロピーは無限に増加するという「エントロピー増大の法則」である。全宇宙を考えると、宇宙は外部からの熱供給のない断熱過程であり、また宇宙内の現象は熱伝導や摩擦などによる不可逆過程を含む。従って宇宙のエントロピーは増大する一方である。これがエントロピー増大の法則の原理である。例えば部屋や机が自然に散らかって行くのは自然の摂理なのである。もし「君の机はいつもエントロピーが高いね」と言われた場合、机の上を掃除しろという意味に解釈すべきであろう。
C.P.スノー曰く、熱力学第二法則は理系の人間の必修であるらしい。
現在においても、熱力学第二法則は正しいと考えられてはいるが、しかし証明はされていない。
具体的には、熱力学第二法則はマクロな基本法則だが、これをミクロな世界の基本法則である量子力学だけを用いて導くことは、理論的に導出することに成功した例はいくつかあるが、しかしまだ未完成である。主立った問題は次の通りである。
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