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円弧の長さで示す角度の表記法。
πを用いた円に関する計算は、次のようになる。
つまり円の一周は2πである。なぜ一周したときにπではなく2πなのかは、円周率πの定義に半径ではなく直径を使ってしまったからである。直径は常に半径の2倍なので、半径を基準として描かれる円にとってはその2倍の2πでようやく円弧一周、ということになるわけである。
すなわち、円を4等分した時にできる90度は1/2πラジアンであるし、円を半分にした時にできる180度でπラジアンであるなど、明らかに不自然で分かりにくい数学を作り出すことになってしまった。
そこで一部の数学者は、円周率πに代わる数学定数として、半径に対する円弧長を表わす円周率τを提唱している。
円周率τは、円の半径に対する円周長の比であり、つまり1τ=2πである。
これを定義することによって、円弧一周はτラジアン、円を2等分したときにできる180度で1/2τラジアン(またはτ/2ラジアンとも表記可能)、円をを4等分したときにできる90度で1/4τラジアン(またはτ/4ラジアンとも表記可能)と、図形と角度が一致していて視覚的にも分かり易い表現が可能となる。
特に円周の表現に不自然さがなくなって劇的に分かり易くなっている。
弧度法では角は「周の長さ」と「半径」という2つの長さの比で表現されるため、θは単なる実数と考えることができ、非常に扱いやすくなる。
先の例を弧度法で表現すると「l=rθ」となり、見やすさの違いは一目瞭然である。ちなみに弧度法は比であるため、通常は単位のラジアンを省略する。
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