原子炉の心臓部ともいえる容器。この容器は、さらに原子炉格納容器に格納されている。単に「圧力容器」とも。
燃料棒、制御棒、減速材や冷却材など、炉の主要部分である炉心を収納する、低合金鋼製の容器である。ここで核分裂をさせ、エネルギーを発生させる。
炉にもよるが、容器の壁の厚さはおよそ20cm前後である。
万が一、メルトダウン(炉心溶融)して放射性物質が漏れ出すようなことがあっても、まずこの圧力容器がそれを受け止め、防御する働きをする。
例えば、1979(昭和54)年に起きたアメリカ合衆国ペンシルベニア州スリーマイル島の原子力発電所2号炉で起きた部分的な炉心溶融事故では、炉心は破壊されたが、圧力容器は辛うじて破壊されなかった。このため、深刻な事態は何とか免れたのである。
原子炉圧力容器は、環境への放射性物質放出を抑制するための「五重の障壁」のうち、第3の壁とされている。
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