放射線の一つで、中性子の流れをいう。
中性子線は、原子核を構成する中性子という素粒子からなる。これは、ヘリウム原子核のα線、電子のβ線、電磁波つまり光子のγ線と同様である。
理論上は、水や厚いコンクリート等で遮蔽できる。
自由中性子の平均寿命(半減期)は887.0±2.0秒、つまり約15分であり、やがて崩壊して電子とニュートリノを放出し、陽子に変わる。
中性子線は持つエネルギーによっていくつかに分類されるが、分類特に各中性子線のエネルギー範囲については幾つかの方法がある。ここではその一例を示す。
例えば、原子炉においては、中性子によって核分裂を誘発させエネルギーを発生させる。現在、最も一般的な中性子線の用途と言える。
中性子線は、γ線のように透過力が強い。中性子の質量は陽子とほぼ同じで、α線のヘリウム原子核よりは小さいが、β線の電子よりは大きい。
その双方と最も大きな違いは、中性子は電荷を持たないことである。このためクーロン斥力が発生せず、原子核と衝突した時に吸収されやすい。中性子を吸収することを中性子捕獲といい、中性子捕獲をするとその分、質量数が増える。結果、不安定な中性子過剰核が生じると短時間で崩壊をし、安定核になるまでα崩壊やβ崩壊、中性子放射、あるいは自発核分裂などの崩壊を繰り返すため、その原子核は放射線源化することになる。
このため、同じ線量であればγ線よりも中性子線の方が危険だとされる。
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