ニュー・ホライズンズ

読み:ニュー・ホライズンズ
外語:New Horizons Pluto Kuiper Belt Flyby 米国英語
品詞:固有名詞

アメリカの冥王星探査機。探査機名は、直訳すると「新たな展望」。

目次

基本情報

  • 所有国: アメリカ合衆国
  • 打ち上げ: 2006(平成18)年1月20日04:00(日本時間)(19日@833)
  • ロケット: アトラスV 551ブースター
  • 発射台: ケープカナベラル空軍基地
  • 質量: 約385.0kg
  • 搭乗員: なし(無人)
  • 国際標識番号: 2006-001A

沿革

  • 2006(平成18)年1月20日04:00(日本時間)(19日@833): 打ち上げ
  • 2006(平成18)年8月24日: 目標の冥王星、惑星から除外され準惑星に降格
  • 2007(平成19)年1月18日: 木星から距離約810万km。撮影した木星の画像を公開
  • 2007(平成19)年2月28日: 木星から距離約230万kmで木星スイングバイ成功。約7万km/h(168Mm/hBeat)→約8万4000km/h(202Mm/hBeat)に加速
  • 2015(平成27)年7月14日20:49(日本時間)(@534): 冥王星に最接近

打ち上げ

計画

「Star-48B」固体ロケットモータを第三段に搭載し木星重力アシストを装備したアトラスV 551ブースターで、米フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた。

予定では、探査機は打ち上げから9年後の2015(平成27)年7月14日に冥王星に到着する。

全体の費用は5億5000万ドル未満と計画されている。

延期

2006(平成18)年1月18日03:24(日本時間)(17日@808)から2時間のウィンドウ内に打ち上げ予定だったが、当日強風で1日延期となった。

しかし翌日、今度はコントロールセンターの停電でもう一日延期された。

打ち上げ当日

  • 東北東の風、風速7mph(11km/h)
  • 視界7マイル(11.2km)
  • 天候、雲
  • 気温64℉(18℃)
  • 比湿59℉(15℃)
  • 湿度83%

探査対象

本機の主要任務は、冥王星と、その衛星カロンの大気や地形を観測することである。これまで冥王星に到達した探査機はなく、このニュー・ホライズンズは初の試みとなる。

冥王星の上部大気圏、イオン圏、およびエネルギー粒子を調査する。そして高解像度で冥王星を写真撮影し、表面地図を作成する。

また冥王星観測後は、冥王星の軌道付近にある小天体の集まり、エッジワース・カイパーベルトの探査も行なわれる。

遺灰

ニュー・ホライズンズには、冥王星を発見した天文学者クライド・トンボーの遺灰が納められている。

宇宙葬を希望した本人の遺志によって実現したものだが、自身の発見した冥王星の前を通過するのみならず、太陽系の外という本人が想像したより遙か遠くへと向かうことになった。

トンボーは、太陽系外に出る人類史上初の人物(の遺灰)ということになる。

無線通信機

直径2.5mのパラボラアンテナが取りつけられている。

地球との交信は衛星通信バンドのうちXバンドが使われる。冥王星軌道からの通信速度は768bpsである。

速度が非常に遅く、写真の送信に時間を要することから、撮影された写真はメモリーに保存され、これを少しずつ地球に送る方法を採用している。

電源

放射性物質(二酸化プルトニウム)を熱源とし熱電対を用いて電力を得る原子力電池(RTG)が搭載されており、冥王星到着時出力288Wを供給する。

装備

探査機には、次の科学機器が搭載されている。

  • 広範囲観測カメラ(LORRI)
  • 冥王星探査遠隔感覚調査(PERSI)
    • 可視光CCDカメラ(MVIC)
    • 近赤外線撮像分光計(LEISA)
    • 紫外線スペクトロメータ(ALICE)
  • プラズマ・高エネルギー粒子分光機器一式(PAM)
    • 太陽風測定装置(SWAP)
    • トロイダル型静電気分析器
    • プラズマ測定器(遅延電位分析器)
    • 冥王星高エネルギー粒子測定装置(PEPSSI)
    • 飛行時間型イオン・電子感知器
  • 電波科学実験(REX)
  • 宇宙塵計測器(ダストカウンター) (SDC)

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