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食品に掛けて用いる液状でかつ茶色い調味料。日本で単に「ソース」といえば無条件でコレを指すが、実は日本独自の調味料である。
日本のソースは濃度等により、次の三つがあり、JAS規格によって細かく仕様が決められている。
更に、特定の料理専用にヤキソバソースやお好み焼きソースなど様々がある。
元々は洋食用の調味料であり、江戸時代にウスターソースが入って来たことが日本でのソース史の始まりである。これは現在のそれと同様、とろみが無く味は辛口である。
しかしこれは日本人の口に合わず、当時の日本では全く売れなかったので、ここから日本独自の調味料として甘口でとろみのある濃厚ソース(とんかつソース)を作ったところ大ヒットし、この時にソースが日本の家庭に浸透した。
カゴメやブルドックソースが大企業になったのも、この大ヒットの恩恵であった。
ちなみに、欧米ではウスターソースは存在するものの、日本ほど一般的ではない。
「ソース」は、地味に地域性の高い商品であり、好まれる味が地域によってかなり違う。
西日本では料理によりとんかつソースとウスターソースを使い分けるのに対し、東日本では使用範囲の広い中濃ソースだけ常備されていることが多いようである。
西日本、例えば大阪市内でも中濃は細々と売られてはいるが、あまり売れていないようである。
代表的な三種類のソースの違いを見るため、参考として、関東の代表メーカー、ブルドックソースのそれぞれのレシピを以下に示す。
野菜・果実(りんご、トマト、たまねぎ、レモン、プルーン、にんじん)、醸造酢、砂糖、食塩、たん白加水分解物、酵母エキス、香辛料、煮干エキス
野菜(トマト、たまねぎ、にんじん)、砂糖、醸造酢、食塩、酵母エキス、香辛料、煮干エキス、昆布エキス
野菜(トマト、たまねぎ、にんじん)、砂糖、醸造酢、食塩、酵母エキス、香辛料、昆布エキス、煮干エキス
とんかつソースと中濃ソースは材料は変わらず、分量だけが違うらしいことがここから読み取れる。
より安価なノーブランド商品(かつ関西向けの味付け)の「とんかつソース」(特濃ソース)だと、次のような材料が使われていた。
野菜・果実(りんご、トマト、みかん、その他)、砂糖、醸造酢、食塩、でん粉、香辛料、増粘剤(タマリンド)、調味料(アミノ酸等)、香辛料抽出物
西と東という差もあるのだろうが、いかにしてとろみを達成するか(野菜をたっぷり使うか、澱粉や増粘剤を使うか)、最終的な味付けをどうするか(昆布・煮干し・酵母などを使うか、アミノ酸等を使うか)、などにより価格に大きな開きが出て来るとみることができる。
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