こうのとり6号機

読み:こうのとり・ろくごうき
外語:HTV6 英語
品詞:固有名詞

こうのとり(HTV)の6号機。JAXAの資料では『「こうのとり」6号機』と書かれている。

目次

基本情報

沿革

  • 2016(平成28)年12月9日22:26:47(@601): 打ち上げ

延期

元々は2015(平成27)年頃の打ち上げ計画だったが、2016(平成28)年10月1日打ち上げで一旦決定した。

しかしHTV6の射場整備作業実施中、配管の気密検査で微量の漏洩が確認された。必要な修理のためにHTV6モジュールの結合を解除する必要があり、もって打ち上げ延期の旨が2016(平成28)年8月10日に発表された。

今回の積荷の目玉

  • 導電性テザー
  • ISS用バッテリー「GSユアサ」製リチウムイオン電池

導電性テザー

構造

宇宙に漂う大型のスペースデブリ(宇宙ゴミ)を取り除くための技術実証である。

長さ700m、重さ約45kgの、アルミニウムとステンレスを素材にして編んだ導電性のワイヤーを3本に束ねた構造となる。「こうのとり」に取り付けておき、物資を国際宇宙ステーション(ISS)に届けた帰還時に、切り離して宇宙に放出する。

テザーが地球の磁場を横切ると誘導起電力が発生し、テザーの両端に電位差が生じる。一端からは電子が放出され、もう一端からはプラズマ電子が集められ、テザーには最大で10mAの電流が流れるようになっている。

この時電流と磁場の干渉によって推力が発生(推力=テザー電流×地球磁場×テザー長)し、この推力を用いてデブリを軌道から除去する。

デブリの除去

スペースデブリは自由運動をしており、軌道上での捕獲は容易ではない。

実際に軌道から除去し、大気圏内に投入させる方法としてJAXAは、次の方法を考えている。

  1. デブリ除去機でデブリに接近
  2. 近傍作業
    • 運動推定
    • 推進系取付(テザー取付)
  3. 導電性テザーの推力で軌道上から除去

今回はこのうち3番目、導電性テザー技術について、検証を実施する。

リチウムイオン電池の輸送

ISS用の電源であり、命綱である、交換用の新型リチウムイオン電池を輸送した。

今回は、国産、「GSユアサ」製が採用されている。

この時点で、ISS向けとして最大の輸送力を持っているのは「こうのとり」であり、ISS用の大型リチウムイオン電池を輸送できるのは「こうのとり」のみである。

この輸送は「こうのとり」にしか出来ないことであり、かつ今回はこれを6個輸送した。

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