β-ラクタム系抗生物質(β-ラクタム剤)の分子構造に含まれている、四角形の環構造。
この環構造が、抗生物質としての作用点である。細菌の細胞壁を作る酵素に結合することで細胞壁の合成を阻害し、延いては細菌を死に致らしめる働きを持つ。
人間などの細胞は細胞壁を持たないので、β-ラクタム環を持つ薬物を摂取しても実害がない。そのため人間は死なないが細菌は死んでしまうという選択毒性がある。
このβ-ラクタム剤に対する耐性を持つ菌は、この作用点であるβ-ラクタム環を切断する酵素、β-ラクタマーゼを生成する能力を獲得したものである。
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