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日本の写真偵察衛星であり、日本初の(一種の)軍事衛星である。
原則として、光学衛星2機、合成開口レーダー衛星2機の4機体制とされる。
日本国政府ならびにJAXAや三菱重工業などは衛星についての情報を公開していないので、NORADやNASAのNSSDC等で公開されている情報に基づいている。和名については政府資料での呼称に基づく。
世代と打ち上げ順序は一致していない。
以降は、今後の予定。
2018(平成30)年2月時点での運用は次の通り。
耐用年数は、通常のものは5年、実証衛星は2年から3年程度が設定されることが多いようである。
光学センサー、合成開口レーダー、共に次のように性能が発表されている。
カラーで、デジタルカメラのように撮影する機能。
解像度が40cmあれば、人を点として認識することができる。
モノクロ撮影のみだが、雨天等の悪天候時や夜間でも撮影できる機能。
そもそも、これは軍事衛星である。軍事機器の性能を正確に公表する国など、地球上に一つもない。情報収集衛星も同様と見込まれる。
公表された性能は決して高性能とはいえないため方々から様々な指摘があるが、衛星の性質上、正確な情報が公開されているとは考えにくく、実際にどれほどの性能があるのかは関係者にしか分からない。防衛情報であるため正確な性能は「特定秘密」であり、特定秘密の保護に関する法律でスパイ行為は禁止されている。
実際にはこの倍程度の性能があるのではないか、というのが希望的観測である。
陸域観測技術衛星だいちに搭載されたカメラや赤外線センサーと、ほぼ同じものか、若干高性能化が図られたものが搭載されていると見られている。
詳細は不明だが、「だいち」には以下のセンサーが搭載されている。
これと似たようなものが搭載されていると見込まれる。AVNIR-2を搭載したものがレーダ衛星で、PRISMを搭載したものが光学衛星ということになるのだろう。
衛星の名前・愛称は、光学1号機、レーダ1号機、とされている。設計寿命5年、後継機は光学3号機、レーダ3号機である。「レーダー」と伸ばさないらしい。
この2機は、天文家の間でIGS-1A、IGS-1B、と符号で呼ばれている。また、IGS-R1、IGS-O1という符号でも呼ばれるが、これが政府側の呼称なのかは確認できていない。
政府は軌道は非公開であるの一点張りであるが、衛星の軌道は観測すれば分かる。情報はNORAD(北米防空司令部)によって一般公開されるので全く意味がない。不確定情報ではあるが、離心率などから考えて、2行軌道要素は次の通りであると見られている。
但し、後に番号の入れ替えが生じたという情報もあり、光学1号機が2003-009A、レーダ1号機が2003-009Bに変更されたとする。以下は、入れ換え前の軌道要素である。
2003009A
1 27698U 03009A 03088.51625000 .00004167 00000-0 16560-3 0 60
2 27698 97.3068 160.9810 0004807 350.2821 199.8390 15.25837605 227
2003009F
1 27703U 03009F 03088.51733796 -.00002872 00000-0 -11374-3 0 60
2 27703 97.3048 160.9778 0002692 264.9578 284.9437 15.24629705 211
現在は、共に運用を終了している。
衛星の名前・愛称は、光学2号機、とされている。製作費用は約290億円とされる。
天文家の間ではIGS-2Aと符号で呼ばれている。また、IGS-R2という符号でも呼ばれる。国際標識番号は2006-037A。
軌道はやはり非公開であるが、NORAD(北米防空司令部)によると、不確定であるが2行軌道要素は次の通りであるらしい。
IGS 2A
1 29393U 06037A 06255.94050995 0.00000000 00000-0 00000-0 0 04
2 29393 97.3059 14.6731 0005460 350.5714 9.4284 15.25871519 04
2013(平成25)年1月現在、設計寿命5年を超過しているが、運用中である。
2007(平成19)年2月24日に打ち上げられた。これにより、光学2機、レーダ2機の4機体制が整い、かつ次世代の実証機も打ち上げられた。
NASAのNSSDCでは、次のように呼んでいる。
どちらがレーダ2号機でどちらが光学3号機なのかは不明だが、4Aがレーダ2号機、4Bが光学3号機実証衛星ではないかと考えられている。
レーダ2号機は故障で運用終了、光学3号機実証も設計寿命を超過したため運用を終了している。
光学3号機は光学1号機の後継機として2009(平成21)年11月28日に打ち上げられた。光学3号機の研究開発費は約487億円とされる。
分解能は公称60cmだが、実際には40cm級の性能があると見られている。
2013(平成25)年1月現在、運用中である。
光学4号機は光学2号機の後継機として2011(平成23)年9月23日に打ち上げられた。光学4号機の開発費は約347億円とされる。
分解能は光学3号機と同じ。3号機よりポインティング性能が向上したとされている。
2013(平成25)年1月現在、運用中である。
レーダ3号機はレーダ1号機の後継機で、2011(平成23)年12月12日に打ち上げられた。
解像度をヨーロッパの商業機相当の約1mにまで精度向上させ、さらに1号機、2号機の故障原因となった電源系の不具合への対策もなされた。レーダ3号機の開発費用は約400億円とされる。
2013(平成25)年1月現在、運用中である。
2013(平成25)年1月27日に打ち上げられた。レーダ4号機はレーダ3号機と同型で、開発コストが抑えられている。
また、3号機・4号機と同型でもう一つ「レーダ予備機」が2014(平成26)年度に打ち上げ予定とされている。これは更に開発コストが下げられる。
光学5号機実証は、分解能が公称40cmとされる光学5号機の実証機である。
IGSには色々な問題点がある。電源系統が弱い、分解能などの性能が良くないのではないかとする説などがるが、そういった性能よりも、政府が衛星導入を決めた際、予算不足と、それによる他の宇宙開発への圧迫が大きな問題となった。
当初、IGS用として政府が捻出した予算では絶対的に不足で、宇宙開発事業団(NASDA)(現在のJAXAの前身)予算の3割程がIGSに奪われ、さらに人員も取られた結果、(予算がないため)日本の宇宙開発の将来計画が無くなるという危機的な状況になってしまった。
気象衛星、地球観測衛星、測位衛星(GPS)など求められる衛星は多数あれど、2003(平成15)年度は、予算不足で開発もままならなくなってしまったのである。
政府も反省したらしく、それ以降は充分な予算を割いているようである。
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