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4次元時空(3次元空間×時間)よりも次元数の大きい空間、という視点から見たブラックホールのこと。「高次元空間ブラックホール」とも。
3次元空間でのブラックホールは、今では「古典的なブラックホール」とも呼ばれる程であるが、過去にも今にも、おそらく今後も、実際に直接視認できたことはなく、またできる日も来ないと見込まれる。
このため今なお謎が深く、今もなお様々な研究がなされ、新しい発見も続いており、今後も研究が続けられる。
しかしその中で近年注目が集まっているのが、より高い次元からブラックホールを見た場合、どうなっているのか、という問題である。
ブラックホールを説明するには4次元時空だけでは不足している。また、物理学の理論の進展に伴い、古い理論では説明困難な現象の記述も新理論では可能となってきた。
2008(平成20)年から稼働を開始した大型ハドロン衝突型加速器「LHC」により、光速の99.9999991%まで加速した陽子同士を正面衝突させる実験が実施される。
この時、この世界が4次元時空ならエネルギーが足りないのでブラックホールは生成されない。しかし世界が5次元時空以上なら、微小な領域では重力が強く働き、ブラックホールが生成される可能性が高まる。
CERNが2008(平成20)年6月20日に発表したプレスリリースによると、冷却中の8つのセクターのうち5つの温度が1.9K(−271℃)まで下がり、残りもその温度に付いている。冷却完了後、8月には実験を開始できる予定、としていた。また、2010(平成22)年11月頃には、ビッグバンから数マイクロ秒後の様子の再現に成功している。
LHCの実験で発生したブラックホールは、地球を飲み込み崩壊させる可能性がある、という俗説が囁かれている。多くの科学者は、そんなことは起こりえないと考えているが、それを真に受けた者らにより、LHCの運用禁止を求める訴訟も起こされている。
この俗説は、学術論文によって否定された。
基本的な趣旨は、次のようなものである(意訳)。
LHCで生成可能な程度のブラックホールは既に宇宙線で作られ存在しているものである。ブラックホールは中性子星や白色矮星などの高密度天体によって活動を止められ、最後にはそれらを吸収する。しかし充分に古い中性子星は現に観測されており、LHCでブラックホールが発生し、例えそれが安定したものであったとしても、太陽の寿命内に地球を崩壊させる程の影響を及ぼす可能性はない。
人工的に作るブラックホールは5次元以上の時空の影響が不可欠なので、実験で作ろうとしているものは高次元ブラックホールである。
なお、ブラックホールが生成されても、量子論的効果により境界面のすぐ外側から素粒子を放出し、消滅(蒸発)すると考えられている。
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