人力が加わらず、自然のままで存在すること。いわゆる、「合成」「人工」「人造」の反義語。
天然を冠する商品などには、次のようなものがある。
天然の物質は、その名の通り、天然に存在するものである。従って、その物質には、様々な不純物も含まれている。
その物質を抽出するとしても、同時に存在する不純物は除去しきれない。合成品であれば、合成経路を工夫することで不純物の発生自体を減らすことで不純物を減らすことができる。
実際の物質の主作用や副作用は知られていても、不純物の副作用などは無視されることが多いが、この不純物が良くない働きをすることもある。
特に日本においては、天然・自然のものは安全で健康によく、人工物は危険で健康に悪い、という非科学的な定義がまかり通っている。しかしこれは事実ではない。
例えば「天然だから安心」「天然なので安全」「天然なので副作用がない」「天然なので体や自然に優しい」など表現は様々あるが、これはそれを商売にする悪徳業者が用いる嘘の宣伝文句であって、事実とは異なる。
合成着色料や合成甘味料はじめ様々なもので人工物が使われているが、人工物は毒性が測られており安全な範囲内で使うため安全である一方、天然物は何が入っているか分からないので危険なのである。
手がかぶれてしまう漆も、昔から毒殺に使われて来たトリカブトも、天然な上に植物性であり、業者が用いる健康的なキーワードを踊らせることができるが、しかし毒物である。
ジャガイモの芽に含まれるソラニンなども、よく食中毒を引き起こす天然物である。
鰒の毒として有名なテトロドトキシンも、天然の毒である。また様々な毒茸も天然の毒を含んでおり、毎年欠かさず死者を出しているものである。
人類がどれだけ努力しても、自然の力には到底敵わない。農薬や兵器用として様々な毒物が人類の手で合成されてきたが、しかしそれらも、最強の天然モノの毒性には未だ遠く及ばない。
何をもって最強の毒とするかは定義が様々であるが、「現在知られる最強」を以下に示す。
いずれも、安心で安全で副作用がなく体や自然に優しいはずの天然物である。
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