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一つのガラス管内に、二つの三極管を封入した形式の真空管で、複合管。コンピューターの黎明期に演算素子として使用された。
真空管には、二極からおおむね七極までの種類があるが、二極では電子の流れを制御するグリッドがないためスイッチ作用を持たせることができない。
つまり、論理回路用には最低でも三極管が必要である。かといって、二値論理を扱う分には四極以上の必要もない。
そこで三極管を使うこととし、それも二本分を一本のガラス管に封入すればスペースの節約になる。これが、双三極管である。
三つ以上を複合化しなかったのは、「MT管」と呼ばれる小型真空管の標準規格では、電極は最大9本までしか出せなかったからである。
MT型の双三極管は古くから汎用品として商品化されていたが、コンピューター用は特に素材や製法を厳しく管理された高信頼性のものが使用された。何千本もの真空管を使用する機器とあっては、連続稼働可能な時間は殆ど真空管の突発不良だけで決まってしまうからである。
後にはコンピューター専用の真空管も開発されたが、それにしても「真空管式」の時代は長くは続かず、次世代のゲルマニウムPNPトランジスタに置き換えられた。
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