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京阪神地区の東海道線および山陽本線は、私鉄との間の通勤輸送における競争が激しい地域であった。そのため、国鉄としてもそれに対抗すべく急行形163系電車を新快速用車両として投入していた(ブルーライナー)。
しかし、いくら急行形でも所詮はお古であったため競争相手である阪急電鉄、京阪電鉄に比べて見劣りするのは否めなかった。相手は特急列車に豪華設備を用意しているのが普通で、座席は転換クロスシート以上が標準装備である。速達料金は不要であるのも当然である。さらには京阪電鉄は車内でテレビが見られるというのだから、これでは競争にならなかったのである。
そのため、大阪鉄道管理局はこのような事態を打開するための車両を東京本社に強く求めていたのである。その要望にこたえる形で117系が誕生した。
明らかにライバルの私鉄を意識した内容であり、国鉄的にはデッキがない以外は急行列車以上に使われる車内装備であった。吊革の廃止が白眉だが、これについては車両メーカーの人が国鉄の関係者に再三確認を取ったと言うエピソードも残っている。
カラーリングはクリーム1号を基本とし、マルーン(ぶどう色2号)を窓下に配置した。
117系の投入により163系を利用した新快速の運用は終了し、163系は各線区に転出していくことになる。国鉄ではこの117系新快速をシティーライナーと命名し大々的に売り出したのであった。
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