読み:しずく
品詞:商品名

Leafの18禁ビジュアルノベルゲーム第一弾。1996(平成8)年1月26日にNEC PC-9800シリーズ用MS-DOS版が発売された。MS-DOS版は1998(平成10)年4月28日に廃盤となったが、1996(平成8)年6月26日に発売されたWindows版が継続販売されている。なお、タイトルは "しずく" と読む。

長瀬祐介は、変わり映えのしないくだらない毎日にうんざりとしていた。日常の風景は色を失いつつあり、甘美な狂気への扉の一歩手前にいた。そんなある日、突如、非日常が口を開けた。クラスメイトの太田香奈子が授業中に突然発狂して、淫猥な言葉を叫びながら自らの顔を爪で掻きむしった。去年のクラスメイトだった美少女、月島瑠璃子は、その瞳に尋常でない光を宿して、屋上から電波を送り続けていた。狂気は祐介のすぐ近くにあったのだ。そんなおり、祐介は叔父である国語教師の長瀬源一郎から太田香奈子が深夜の学校内で何かの集会に参加していたらしいという噂の真偽を調べるように頼まれた。祐介は、深夜の学校での事件のひとつの手がかりを持っているというバレー部の新城沙織か香奈子の親友で生徒会書記の藍原瑞穂をパートナーにして深夜の学校を調査するか、もしくは瑠璃子に会いに屋上に行くのか…。

高橋龍也のシナリオによる、人間の狂気をモチーフにした物語は、暗く、また残酷なシーンも多いのでプレイヤーを選ぶが、基本的にはせつなくほろ苦い青春物語である。また "毒電波" という言葉はこのゲームが流行らせたものである。初期設定では "オゾム電気パルス" などという名前が付けられていたが、ゲームではシンプルに "電波" と言われていた。結果的に、これが大正解だったといえる。

バッドエンドを見ることでハッピーエンドやトゥルーエンドへのフラグが立つというシステムはなかなかのアイディアで、リプレイを強要されるが物語を深く堪能するのに効果的だった。また、折戸伸治(現在はKey所属)によるBGMは特筆ものの出来だった。

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