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高橋しん著作のまんがを原作とするアニメーション作品。略称「サイカノ」。
ある日、戦争に突入してしまった近未来の日本。その北海道を舞台に、自衛隊の切り札として「進化する兵器」に改造されてしまった少女「ちせ」と、その彼氏である「シュウジ」の苦悩と悲しい恋愛の物語。
ちせは、人間から遠ざかっていく身体と人間だった頃と変わらぬ心との落差に苦しみ、シュウジはちせを大事にしたい気持ちと兵器としてのちせに対する恐怖、そしてそんなことを考えてしまう自分自身の至らなさに悩んでいく。しかし、戦局は次第に進行し、地球が終末に近づくと共に、ちせもまた兵器として進化し続けていった…。
TVアニメ版は1クールで全13話。
単品のほか、2006(平成18)年1月27日にはDVD-BOX「最終兵器彼女 スペシャルヴァリューBOX」も発売された。
OVAは二巻発売されている。各30分。
原作に、比較的忠実に作られた作品である。全13話ということで原作の全てを語り尽くしているわけではないが、無駄に長くない分観やすい作品となっている。
更に、OVA「Another Love Story」として、OVAのオリジナルキャラ、最終兵器プロトタイプ「ミズキ」視点からアニメ版を見た作品が全2話ある。
普段は可愛いちせでありながら、ちせから生える触手などは妙にリアルで、原作よりもグロテスクである。背中からミサイルを吐き出す(?)時も血だらけになり痛そうであるが、その辺の理由は述べられていない。
アニメ版ちせは、ある意味原作よりも可愛い。ちせは、可愛くないと物語にならないからである。「ちせはかわいい。だが、のろい」からである。
その可愛いちせの背中からミサイルが湧き出てきて、原作にはない「もう我慢できない!」なる発言はある種のエロスさえ感じるが、このようなシーンの連発で、物語の異常性や不条理、理不尽さなどを考える間もなく、物語に引き込ませることに成功している。
結末は原作と異なっている。
地球の人間がどうなったのかは良く分からないが、この作品にどのようなシーンを持ってきても、見た者の印象はあまり変わらないだろう。
いずれにせよ結末は、ちせとシュウジの、二人だけの幸せな?世界となったのである。
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