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高橋しん著作のまんが。小学館ビッグコミックスピリッツ連載。連載期間は2000(平成12)年1月17号から2001(平成13)年11月12号まで。全7巻。
副題として「THE LAST LOVE SONG ON THIS LITTLE PLANET.」というタイトルが付けられている。
ある日、戦争に突入してしまった近未来の日本。その北海道を舞台に、自衛隊の切り札として「進化する兵器」に改造されてしまった少女「ちせ」と、その彼氏である「シュウジ」の苦悩と悲しい恋愛の物語。
ちせは、人間から遠ざかっていく身体と人間だった頃と変わらぬ心との落差に苦しみ、シュウジはちせを大事にしたい気持ちと兵器としてのちせに対する恐怖、そしてそんなことを考えてしまう自分自身の至らなさに悩んでいく。しかし、戦局は次第に進行し、地球が終末に近づくと共に、ちせもまた兵器として進化し続けていった…。
ミリタリーやSF要素を多く含む物語であるにも関わらず、絵は独特の愛らしさを持つ不思議な作品で、巻末には兵器系の書物と少女まんがが参考文献として書かれている。
この作品の最大の特徴は、その常軌を逸した世界設定と、不条理な進行にある。
戦争が起きた。これは有る意味仕方がないとしても、「そもそもなぜ女子高生が最終兵器に改造されなければならないのか」「戦争の相手国はどこなのか」「何のために戦争しているのか」「なぜ世界は滅びるのか」といった、物語の重要な背景については、何一つ説明されていない。
この点については賛否両論存在するが、実際には、この作品には、難しい説明や理由は不要なのである。なぜならこれらは舞台の味付けにすぎず、作品が本当に訴えたいところは別にあるからである。
「戦争であり、ちせが最終兵器である」という異常な状況で、そして恋人はどんどんと異形なものに姿を変えてゆく。そのような中でもお互いは愛し続けることはできるのか。この非常に重いテーマが、この作品の本心であると考えられる。
作中では札幌からそれほど遠くない北海道のどこかだが、特定されていない。しかし作品はフィクションでありながら、風景については実在の場所が描かれている。実際の北海道に照らし合わせると小樽市が舞台と分かる。また、劇場版では明確に舞台を「小樽市」としている。
ちせが登るのに苦労した地獄坂は、小樽市に実在する。作中に登場した看板も現地にそのままの姿で実在する。ただ、景観は若干異なるようだ。
また作中に登場した高校は地獄坂の上に小樽商業高校として実在し、風景も作中とそのまま全く同じである。
二人の思い出の展望台は、高校の北に延びる道の先に旭展望台として実在し、景観も全く同じである。劇場版の撮影でも、この展望台が使われた。
水族館は、おたる水族館と思われる。
そして原作で(アニメでは設定が違う)ちせとシュウジが最終的に暮らしていたのは、作者高橋しんの故郷でもある士別市の士別駅がモデルとなっている。小樽・札幌からはかなり距離がある。
原作とアニメでは、最後に地球は滅亡する。アニメでは大津波という設定だが、原作ではちせの力で、痛くないように、苦しくないようにその命を閉じたとされる。ちせは心しか残らず、最後の人間はシュウジとなった。
そしてシュウジとちせの心は「船」で宇宙へゆき、地球を眺めながら終劇となる。このシュウジが実際に生きているのかどうかは不明であるし、生きていたらこのような事は不可能だろうが、いずれにせよ二人の心はおそらく永久に一緒となったのである。
作中で、地球はもうダメとちせは述べた。この作品においては、残念ながら人類は滅亡したようである。だが、実際にはまだ生存者がいたという設定で、地球のその後について短編「スター★チャイルド」が描かれた。この作品は外伝集に収録されている。
単行本は全7巻。小学館。大人気作品のため単行本は重版が繰り返されたが、時が流れた現在では、新刊での入手は困難になっている。
このまんがの基本的な構想は、作者がたまたま電車の中吊り広告にあった「最終」と「兵器」という2つの単語と「彼女が云々」という単語を見て、「もし、自分の彼女が最終兵器になったらイヤだよなぁ」と思ったことによると作者自身が話している。
なお、この時の20〜30分の間に基本ストーリーは全部できあがってしまったらしい。
ネームに要する時間が本来の理想より長くなりがちで、本来ならネームに4日+絵に3日と行きたいところだが、平均してネーム5日+絵2日、酷いときはネーム6日+絵1日で仕上げる場合もあるという。
しかし、マンガとして平均的に絵の水準は高く、あからさまな手抜きはまず見られない。これについて作者は「優秀なスタッフのおかげで何とかクリアしている」と語っていた。
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