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大阪府大阪市西成区にある、日本のドヤ街であり、かつスラム街の通称。古い地名から釜ヶ崎(かまがさき)、略して「釜」(カマ)ともいう。
ここは昔からのスラム街で、かつては近づいただけで「やばい」と感じる、日本でも希有な場所だった。
漢字では「愛隣地区」と書くが、ここの住人である日傭いの中には知恵遅れ気味で漢字が読めない者もいるため、「あいりん」とひらがな書きをする施設が多い。
但し、近隣住民はあまり「あいりん地区」とは言わない。「釜が崎」ともあまり言わず、「カマ」または「ニシナリ」が主流。例えば「カマの住人やから…」「あれは日雇いのニシナリや…」など。
ドヤ街が作られた戦後の経済成長期、早朝にトラックが乗り付け、ブローカーがそこに群がる日雇い人夫の中から健康そうな人を選んでトラックの荷台に載せ、人夫を満杯に積んでそれぞれの工事現場へと運ぶ、ということをしていたらしい。
日雇い労働者の町あいりん地区は、日本の経済成長を底辺で支えていた町だったのである。
現在では、そんな仕事も激減し、仕事にもありつけず、あいりん地区内の清掃業務を取り合うようなことが起きているらしい。
釜ヶ崎と呼ばれていた頃の暴動騒ぎ(西成暴動)などでイメージが悪いとし、あいりん地区と改称されただけで、中身は殆ど変わらず性根の腐った人達の巣窟である。近年は、日傭い労働者に代わりドヤ主に住所を貰い福祉マンションで寝暮らしする生活保護、福祉乞食が主役となっている。
生活保護で、働かなくても飯が食えることから、道端では乞食達が朝から酒盛りをしている風景が見られる。
生活保護を受けられないような人は、ボランティアの炊き出しなどでギリギリ生きていたりするが、そのような人は野垂れ死にも多いらしい。
もちろん治安は悪い。ただ、例えば関東で治安が悪いことで有名な「歌舞伎町」などとは、治安の悪さの質が違う。
関東であれば、東京都台東区・荒川区の山谷や、横浜市の寿町などが日雇い労働者の住む、いわゆる「寄せ場」(ドヤ街)であるため、ここを見学すれば雰囲気は分かる。但し、あいりん地区の方が遥かに「濃い」。東京の高田馬場なども日雇いの町として有名ではあるが、ここは学生街でもあるためカマと違って治安は悪くないため、あまり参考にならない。
今もドヤ街(簡易宿所)は健在だが、この周辺の安宿が旅行ガイドなどに登録されるようになり、休日にはUSJの土産物袋を抱えた観光客や大きな荷物を抱えた外人などがウロウロする、不思議な光景となっている。
海外の旅行雑誌でも、「治安の良い安宿街」として紹介されているそうである。日本の基準ではすこぶる治安が悪いとは言っても、「世界標準」で考えれば治安は良い方なのであるらしい。
JR新今宮駅、地下鉄・動物園前駅、南海・萩ノ茶屋駅、阪堺・今池駅が最寄り駅である。
新今宮駅から南で、狭義には、南海本線と阪堺電気軌道阪堺線に挟まれた領域をいい、今船駅付近(天下茶屋東1、ロータリー跡)から北である。
この境界から南は、天下茶屋という、また別の街になる。
あいりん地区の安宿は一泊500円程度からあり、一泊1000円なら個室である。一泊1500円も払えば浴場付きの部屋に泊まれる。
近年は観光客の宿泊も増えてきているようである。
あいりん地区には、三角公園、四角公園と呼ばれる二つの公園があり、近年さらに一つが開放された。
四角公園には高いフェンスがあり、夜間は鍵が掛けられてホームレスが閉め出されるが、ここで定期的に炊き出しが行なわれている。
三角公園はカマ住人の憩いの場であり、あいりん地区で最もやばい場所である。ここでキャッチボールをしていた子供がホームレスに包丁で刺される事件などが起きている。
萩之茶屋北公園は196年に整備された公園。ホームレスを追放するため1976(昭和51)年に金網で囲み施錠し利用制限開始、鍵管理団体の公園愛護会が高齢化で1996(平成8)年に解散してからは完全閉鎖となった。2011(平成23)年7月18日、ついに再開放された。なお、この西側にならぶ屋台は覚醒剤の密売所として有名。
そもそもカマは日本中から日雇いが集まってくるので、住民は大阪市民とは限らない。カマ住人には朝鮮人も多いことから、彼らが何らかの犯行に及んでも、殆ど実名報道がなされない。
通称四角公園の隣にある警察署が、大阪府警察管轄の西成警察署である。
表から見える窓は全てが金網で投石対策され、周囲は高い柵や鉄格子で防護、門は頑丈な鉄製で、入口には常に警察官の門番が立っている、24時間の監視カメラなどなど厳重な警備を固めており、あまりの物々しさから「要塞」と呼ばれている。
これは、暴動が発生した場合への対処である。
夫婦揃って職を失っても、なんとか日銭を稼ぎ、生き抜く糧を稼げる街だとされる。
かつては、早朝にトラックが乗り付け、そこに日雇い人夫達が群がる。土方ブローカーは、その中から健康そうな男を適当に見繕いトラックの荷台に載せ、人夫を満杯に積んで、各々の工事現場へと向かう。そのような光景が見られた。
昨今は景気も悪化し、そのような仕事にもなかなかありつけない状況となっているようである。
夫が日雇い労働者なら、その嫁の職場がどうなるかと言えば、旧遊郭である飛田新地、松島新地、今里新地などがある。
建前上、大阪にソープランドは存在しないことになっているが、これら旧遊郭で公然と売春行為が行なわれていることは公然の秘密となっているようである。言うまでもなく、これらの街の情報が風俗情報誌などに載ることはない。
あいりん地区の道路には屋台が並んでいる。
大阪市立萩之茶屋小学校の裏路地にも、道の左右に不法占拠の屋台が建ち並ぶ。元々2車線の道路にも関わらず、このため車の通行も困難になっている。
食い物の屋台だけではなく、小学校の目前で覚醒剤の屋台などが営業していたりする。
あいりん地区の無法な住人は、日中から堂々と「ベンチャービジネス」(=リスクを恐れないビジネス)をしている。要するに、反社会的な事業を営み飯を食う。中でも有名なのは「白い粉」の販売である。
動物園前駅の南側、堺筋の歩道で粉の立ち売りが現われ、ドライブスルーで粉を買っていく人もいる。もちろん頻繁に逮捕者は出るが、ここまでの無法地帯は全国でも唯一である。また、三角公園周辺にも売人がいる。
動物園客の家族連れが通る横で堂々と売人が営業中という姿も、他では見られない光景である。
自販機でジュースを買おうとしたら後ろに売人が着いた、などの報告もあり、ジュースを買うそぶりが売人を呼ぶための合図になっていたらしい。この周辺を歩く場合は、時々落ちている注射器を足に刺さない注意が必要である。
この他にも、拳銃や、非合法アダルトビデオなどが販売されている。
カマの中では、とにかく人身事故に気を付けること。脇道から自転車に乗った日雇いが脇目もふらずに道に飛び出してくるため、まずブレーキが間に合わない。
万が一でも日雇いの体に当ててしまえば最後、日雇いの怒声があがり、それに釣られて野次馬が現われ車を取り囲まれる。下手をすると車をひっくり返されたり、火を付けられたりもする。この場合、決して車から出てはならない。西成署から警察官が駆けつけて救助、保護してくれるまでは、車内に避難しなければならない。
また、クラクションなども鳴らしてはならないとされる。
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