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まだ釈迦が存命の頃のマガダ王国の王。父である前王の頻婆娑羅(びんばしやら)の後継。母親は韋提希(いだいけ)。観無量寿経に母・韋提希を主人公としたマガダ王国の悲劇が語られている。
阿闍世は前世、仙人だった。占いでそれを知った父王は仙人の死を待ちきれず、早く我が子が欲しいと仙人を殺害してしまった。仙人は復讐を誓いながら死亡、後に阿闍世王子が生まれた。しかし復讐を恐れた王は我が子の殺害も目論むが失敗、そのまま王子は成長した。
あるとき調達(提婆達多、だいばだった)という悪者が阿闍世の出生の秘密をばらし、更に、父王を殺害して王位を奪えと進言した。事実を知った王子は悲しみに暮れ、そして王を餓死させるために父王を塔へ幽閉したのである。後に母である王妃が父王へ食べ物を運んでいることを知った王子は剣で母を殺害しようとするが、臣下に制止されたため、母も別の塔へと幽閉したのである。そしてこの事件を知った釈迦は、王や王妃に教えを授け、悲観に暮れていた彼らの心を癒したのである。
そして父王は死亡、阿闍世は釈迦入滅の8年前に王に即位した。しかし後にそれを強く後悔し苦悩、大臣の勧めで釈迦に逢い入信した。そして釈迦入滅後には、王舎城(おうしゃじょう)に舎利(しゃり)塔を建て釈迦を供養した。
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