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財産の共有を目指す主義。
社会主義の潮流の一つである。
共産主義の代表であるマルクス主義でも社会主義と同様に生産手段の共有をするが、更に「共産主義革命は、伝統的所有諸関係との、もっとも根本的な決裂である。」としており、私有財産という概念を廃止している。
マルクスの定義に依れば、中産階級(ブルジョワジー)の生産手段独占は伝統では無く伝統を破壊した結果とする。マルクス主義が、社会主義の生産手段の共有だけではなくもう一歩踏み込んでいるのは、この考え方によるものである。
これにより、階級や搾取のない、万人の平等を目ざし、平等な理想社会を建設しようとした。
共同で生産すると言う意味の「共産」という字面からは社会主義しか見えてこないが、実際の内容は異なるということである。誤訳と言っても過言ではないだろう。
対するのは資本主義である。
ギリシャ時代のプラトンあるいはトーマス=モアのユートピア等にも見受けられるが、現在では特にマルクスが唱え出し、エンゲルスによって確立されたマルクス主義思想を指す。
共産主義は「結果の平等」のみを求めており、「機会の平等」は封殺される。
元々の「共産主義」の基本的理念は、資本家による搾取を止めることであった。
少数の資本家は、多数の労働者を安くこき使い、私腹を肥やす。これを悪しきことと考え、それを禁ずるために生産手段を資本家から取り上げる。公平を期するべく、それは国有にする。
これが基本的な理念である。
資本家から生産手段(工場や農地)を没収して全てを国有にするということは、つまり国がただ一つの、完全な独占資本家になるということに他ならない。
資本家は、少数寡占を良いことに労働者から搾取をするわけだが、共産主義社会においては、資本家が少数どころか「国」ただ一つとなる。つまり、究極完全な独裁資本である。
こうなると労働者は、選択肢を失い、たった一つの独裁資本に従う以外に生きる術がなくなる。
資本主義の資本家は、いくら金持ちになったところで、一個人に過ぎない。会社の中では偉くても、街に出ればただの人である。
しかし共産主義における国家は、法律も作ることができ、警察も、軍隊も持っている。誰も刃向かうことができない。
言い換えれば、資本主義国の資本家が、たった一つの独裁資本家となり、その資本家が警察も軍も我がものとしてしまった。そのような状態である。
ただ一つの資本家に、全ての富、全ての生産手段、全ての権力が独占された社会。これが、共産主義社会そのものなのである。
つまり共産主義とは、「資本主義の最悪の形態」なのである。
共産主義に関わった者は、みな嘘つきになる。なぜなら、共産主義は嘘だからである。
共産主義とは、市民平等を謳いながら幹部だけが儲けたり、良い思いをする制度である。
それ以外の民衆は、搾取の対象である。
共産主義は異論を封殺する。その手段は一般に暴力である。共産主義に反するものは、ことごとく殺されてきた。
「共産主義黒書」(Le livre noir du communisme、Robert Laffont版、France、1997、ISBN978-2-221-08-204-1)という書物が参考になる。
なお、この本はドイツ語版があり、また部分訳の邦訳版もある。邦訳のうちアジア関係は共産主義黒書(コミンテルン・アジア篇)―犯罪・テロル・抑圧―として刊行されている。
本書によると、20世紀の共産主義によって殺された人々の数は、次の通りである。
ソ連 | 2,000万人 |
---|---|
支那(毛沢東) | 6,500万人 |
ベトナム社会主義共和国 | 100万人 |
北朝鮮 | 200万人 |
カンボジア王国(親支共産勢力KR) | 200万人 |
東欧 | 100万人 |
ラテンアメリカ | 15万人 |
アフリカ | 170万人 |
アフガニスタン | 150万人 |
コミンテルンと権力を握っていない共産党 | 1万人 |
合計 | 約1億人 |
その数は、二度の世界大戦で失われた命の約2倍である。
日本の歴史教科書は、20世紀の戦争の惨禍を強調する一方、このような大規模で人命を奪う、20世紀最大の厄災である共産主義の犯罪は隠蔽している。これはなぜかというと、教科書を書いている人間が共産主義者か、その影響を受けた人間だからである。
現存するのは、支那周辺のアジアと、中米のキューバだけである。
但し、支那は極端な市場主義経済を取り入れ、すでに共産主義ではない。ベトナムも市場経済的な仕組みを取り入れており、ここも共産主義ではない。
現在、純粋な共産主義を守っているのは恐らく、キューバのみである。
共産主義を取る国や地域は多数あったが、代表は次のような国である。
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