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特定の分野にこだわるあまり社会性を損なった人。アニメやマンガ、ゲームなどのほか、一般人があまり興味を持たないような分野にめりこんでいる人をいい、しばしばマニアと同義として扱われる。
オタクの命名者はコラムニストの中森明夫で、コミケに集うアニメやまんがファンの若者が相手を "お宅さぁ" と馴れ馴れしく格下扱いする呼び方をすることから、1983(昭和58)年に雑誌上で "オタク族" と命名した。
オタクは元々差別表現である。特定の分野に精通する人たちをマニアと呼ぶが、彼らの一部はのめり込むあまり収入や時間や情熱の殆どを特定分野に注ぎ込む傾向がある。結果として "安物の着古ししか持っていない"、"ジャンクフードばかり食べる"、"TPOに構わずキャラグッズを着用"、"自分の分野以外の話題に疎い"、"他人との関係に関心を示さない" などの社会不適合を起こしがちで、他のマニア達からも変人扱いされるようになった。が、オタクだから社会不適合者なのか、社会不適合者が偶然オタクになったのかは不明。どちらもあり、明確な定義はない。それでも子供を何人も殺した連続殺人犯が、偶然マンガファンや特撮ファン等のオタク趣味を持っていたことなどから、オタクという語は社会に不幸な形で伝わっていった。
1990年代後半には広義のオタクの社会的立場はかなり回復した。それは狭義のオタク(社会不適合者)はさほど多くなかったためである。広義のオタクは "明日の生活費に困ってでも自分の興味にお金を注ぎ込む" という破滅的消費行動から、企業にとって良いお客様となり、オタク向けの市場が大きく形成されて隆盛を極めた。だが、今でも時折メディアに興味本位に取り上げられるオタクの姿は、古くからの差別的な表現である。
日本のアニメやマンガやゲームが海外に広まるのと同時にオタクという語も海外に広まったが、それは蔑称ではなく、アニメやマンガやゲームに精通した人に対する尊称となった。少なくとも言えることは、オタクたちは興味を満たすためには立ちはだかる如何なる障壁もクリアする力を持つ事で、それは言語の壁でさえ容易に越える。英語圏な人が日本のまんがのために日本語を勉強することは比較的よくあるが、日本人でも似た目的で外国語を勉強することも少なくなく、その力は一般人では到底敵わない。オタクは得てして優秀であり、その能力が一般人の生活に多大な利をもたらしていることを忘れてはならない。
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