ニホニウム |
辞書:科学用語の基礎知識 原子元素・名称編下 (NELEMN7) |
読み:ニホニウム |
外語:Nh: Nihonium |
品詞:名詞 |
13族に属する典型金属元素(推定)の超重元素。日本が発見した。仮名ウンウントリウム(Uut)。
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情報 |
基本情報 |
同位体 |
同位体 | 天然存在比 | 半減期 | 崩壊 | 崩壊後生成物 |
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278Nh | ‐ | 0.24秒 | α崩壊 | 274Rg |
284Nh | ‐ | 0.48秒 | α崩壊 | 280Rg |
285Nh | ‐ | 2分 | α崩壊 | 281Rg |
自発核分裂(SF) | ||||
286Nh | ‐ | 5分 | α崩壊 | 282Rg |
自発核分裂(SF) | ||||
287Nh | ‐ | 20分 | α崩壊 | 283Rg |
自発核分裂(SF) |
性質 |
化学的性質はまだ明らかになっていないが、7s軌道が閉殻している閉殻構造であることから、第6周期のタリウムよりも更に1価の陽イオンを形成しやすいと見込まれる。
特徴 |
安全性 |
発見 |
米ロ |
まず、米国立ローレンス・リバモア研究所とロシアのドブナ原子核共同研究所(JINR)の共同チームが、モスクワ郊外にある粒子加速装置で243Amに48Caイオンを衝突させるという方法で作りだしモスコビウム(Mc)と共に発見されたと発表された。
製法は243Am+48Ca→287Mc+4nまたは288Mc+3nで、Mcがα崩壊しNhが生じた。
存在時間はMcが90ms、Nhが約1.2秒(1cBeat)で、Nhもまたα崩壊しRgとなる。この研究結果は2004(平成16)年2月1日付の米国物理学会発行の雑誌 "Physical Review C" に掲載された。但しデータが不十分で、命名権は与えられていなかった。
日本 |
今度は日本の埼玉県和光市にある理化学研究所の森田浩介先任研究員らの実験チームにより、線形加速器RILACで209Biに70Znイオンを衝突させるという方法で2004(平成16)年7月23日18:55(@454)に作り出され、9月28日に発見が発表された。
製法は209Bi+70Zn→278Nh+nである。
秒間2.5兆個の亜鉛を80日間連続で計1700京回ビスマスに衝突させ、たった一つだけ合成された278Nhは、次のように変化した。
4回目にα崩壊したさいのα粒子のエネルギーが、既知の266Bh(原子番号=陽子数=107)のα粒子のエネルギーとほぼ同じであった。α粒子(陽子数=2)を3つ放出して266Bhになったという観測結果から、107+2+2+2=113となり、この崩壊連鎖は278Nhからのものであると結論付けられた。
また同方法による実験で、2005(平成17)年4月2日未明にも再びNh 1個を確認した。1個目と同様、4回のα崩壊ののち核分裂をした。
そして更に2012(平成24)年8月12日に3個目のNh合成に成功し、2012(平成24)年9月26日に理研は元素の合成に3回成功し新元素の発見が確定したと発表した。3個目は次のように変化した。
命名権 |
米ロ欧の共同チームと日本とで命名権を争うこととなり行方が注目されたが、2015(平成27)年12月31日、国際純正・応用化学連合(IUPAC)は日本の発見した新元素と認定し、理化学研究所に通知された。
様々な名前候補の中から、森田浩介により「ニホニウム」は選ばれた。100年前に果たせなかったニッポニウムは、一度除外された名称の復活は混乱を来すとして認められなかった。しかし日本はニッポンのほかにニホンとも読むので、代わりに「ニホニウム」が提案されたということになる。
理研は、2016(平成28)年4月1日までに元素名と元素記号を提案し、IUPACは2016(平成28)年6月9日00:00(8日@666)に他の3種類の新元素と共に名称案を公表した。その後審査を実施し、2016(平成28)年11月30日、名称が正式に決定された。
主な化合物 |
(未確認)
前後の元素 |
112 コペルニシウム ‐ 113 ニホニウム ‐ 114 フレロビウム
リンク |
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