可動式ホーム柵
読み:かどうしきホームさく

 ホームの縁端に腰高の固定柵と可動柵を設け、ホーム部を囲ったもの。
目次

概要
 車両ドア部分に設けられた可動柵部が、車両ドアと連動して開閉する。
 乗降時以外はこの可動柵を閉じることによって、乗客とホームに進出入する列車とを安全に区画する装置である。
 また、ホームにおける列車監視業務の削減にも繋がるされ、ワンマン運転の支援システムとして広く導入されている。

特徴

導入線区

導入条件等
 ホーム柵の導入にあたっては、列車の停止精度の高さが求められる(列車の扉とホーム柵の位置が一致しないと乗り降りすることが出来ない)。
 このため、基本的にはATO線区に導入されている。新幹線にも幾つかの駅に柵があるが、新幹線にはATOは無いため、運転手の妙技による位置合わせとなる。この他にも、次のような理由のため、在来線と比べ新幹線駅のホーム柵の扉は大きめに作られている。

鉄道・モノレール
 導入が確認されている線区(新幹線以外は50音順)。特に記載がない路線は全駅。

新幹線

北海道
 東豊線も全駅で導入予定。

東北

関東・甲信越
 設置予定のうち、設置が確定している駅や路線を含む。
 りんかい線 大井町駅も設置予定。
 当該管内で、日暮里・舎人ライナーゆりかもめ、金沢シーサイドラインはホームドアを導入している。
 自殺の新名所 総武線 新小岩駅にも設置が検討されているらしい。

東海・北陸
 名古屋市営地下鉄の名城線と名港線も全駅で設置予定。
 当該管内で、愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)はホームドアを導入している。

近畿
 大阪市営地下鉄は、千日前線と御堂筋線も全駅で設置予定。
 JR西日本 学研都市線京橋駅ホームにも設置予定。
 当該管内で、ニュートラム、ポートライナー、六甲ライナー、京都市営地下鉄東西線はホームドアを導入している。

中国・四国
 当該管内で、アストラムラインはホームドアを導入している。

九州・沖縄

新交通システム
 導入が確認されていた線区。
 こういった安全装置を導入している既存の新交通システムは全てホームドアを採用しており、可動式ホーム柵の路線はない。

呼称
 会社によっては、「ホーム可動柵」、「ホームゲート」などと呼ぶところもあるが、かつての普通鉄道構造規則では「ホームドア等」と表現されていた。
 しかし一般には、柵かどうかはあまり区別されず、一緒くたに「ホームドア」と呼ぶことも多い。JR東日本がJR山手線に可動式ホーム柵を導入すると発表した際、実際に恵比寿駅で導入された際も、報道では概ね「ホームドア導入」のように書かれた。

利点
 ドアの高さがホームドアの約半分ということもあり、ホームドアに比べ建設費がかからないことが大きな魅力となっている。
 関東地方では、都営三田線東急目黒線の一部、埼玉高速鉄道などで順次導入が始まった。2017(平成29)年をめどに、JR山手線全駅にも可動式ホーム柵が設けられる予定である。
 
 

難点等
 安全性が高くなる反面、乗客が多くなるとその機能が十分に果たせなくなるという問題もある。
 一説では、可動式ホーム柵を使用している場合の乗車率の限界は150%程度といわれている。

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