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一般電話回線でデータ通信を行なう、全二重モデムの規格の一つ。ITU-T勧告の一つ。
2000(平成12)年7月4日にITU-Tにより勧告された56kモデムで使われるデータ通信規格で、ITU-T V.90の拡張にあたる。
下り方向はV.90と同様に56kbpsだが、上り方向が33.6kbpsから48Kbpsへと高速化された。
データ圧縮は、従来のITU-T V.42bisと比べて20〜60%程度圧縮率が向上したITU-T V.44が使用される。これにより上り方向の最大速度が向上した。
V.90とV.92はソフトウェア的な差であるため、機械によっては内部の制御プログラム(ファームウェア)の更新によってV.92/V.44に対応できる。
なお、この速度になるとノイズに対する影響も無視できないので、下りと上りのどちらを優先するかをユーザーが設定することが可能。
また、地味なところでネゴシエーションに要する時間を約半分の10秒以内に行なう「Quick Connect」などの改良も行なわれている。
V.92の最大の特徴は、データ通信中に電話が掛かってきた場合、その通信を一時保留(V.92用語でホールド)したまま電話を受け、通話が終わったときにすぐに通信に切り替える機能が追加されたことにある。
ホールドできる時間はISPが決めることになるが、おおよそ2分程度とされている。これにより、ISDNにせずとも、データ通信と電話を一本の回線で併用できるようになった。
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