無断リンク

読み:むだんリンク
外語:link without notice 英語
品詞:さ変名詞

Webページに、その著者の断り無しに他のWebページからリンクを付けることを表わすらしい。

その是非については今なお議論中で、なかなか難しい問題である。

目次

先に結論を述べると、勝手にリンクしても何の問題もない。

許可を取る必要もなければ、その先にある文章等を引用して紹介することさえも合法である(少なくとも日本では)。

また、トップページ以外にリンクを付けること(ディープリンク)も、何の問題もない。

もともと、WWWは公共の場所、すなわちパブリックスペースであり、自由にリンクすることが前提となったシステムである。

そして、リンクを付けるというのは、その情報に対する道筋を付けることを意味する。複写や引用とは全く無関係である。

他者のページにリンクすることは当然として認められることが前提の設計であり、それに対して許可は本来は不要である。

従って無断リンクなどという、それがまるで悪事のような表現は、そもそも不適切である。

無断リンク禁止とページに書いた場合でも、それがパブリックスペースで公開されている以上、この要求が満たされるとは限らない。

リンクされたくないのであれば、最初から公開をしないか、パスワード等で保護するべきである。

著作権法

無断リンクする事は、著作権違反(複製権や同一性保持権等の侵害)などと主張する者もいるが、そのような事はない。

引用に関しても、著作権法第32条などで問題ないことが保証されている。

著作権法第32条では、次のようになっている。

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

つまり著作者にできることは転載の禁止だけであって、引用などは禁止されていないどころか、無断引用も読者側の権利として明言されている。

そもそもリンクは前述のとおり、その情報に辿り着く道筋を作ることに過ぎないが、それ自体は、著作権法では何も触れられていない。

ページオーナーの権利

尤も、無断リンク禁止と書くこと自体は自由であり、これは憲法でいう言論の自由で保証されている。但し、書いたところで実効力は無く、従うかどうかは個人の自由である。

ページの著者がサイト運営について主張出来るのは、

  • 掲示板を荒らすな、と命令すること。
  • 無断リンク禁止と書くこと

くらいのものであり、それに従えない来訪者に対するアクセス禁止もまたページの著者の権利であり自由である。

しかし、サイト内は管理者のものだが、「無断でリンクを張るな」というのは明らかに他のサイトの運営に対して口出ししているわけであり、認められるものではない。

無断リンク禁止と書かれたページにリンクするのは自由であり、無断リンク禁止の意志を尊重するのもまた自由である。

但し、リンクした上で悪口を書いたりすると、名誉毀損罪となる恐れもある。

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