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信号を広い周波数帯に拡散して送信する通信方式。
一般的に、ワイアレス(無線)で通信する場合の変調では、情報を搬送波に乗せている。スペクトラム拡散の場合も同様で、ここで作られる周波数帯は特定の波長の範囲内に存在する(これを帯域という)。
通常の(旧来の)通信方式では、使用する周波数帯域幅をできるだけ狭く抑え(狭帯域化)、限られた周波数帯を有効に使うようにされてきた。しかし狭帯域化すればするほど、ノイズに弱く、干渉に弱く、そして傍受に弱くなってしまう。
スペクトラム拡散は従来とは全く逆の発想で、データ自体の冗長度を大幅に上げ(誤り訂正符号の量を大幅に増やし)た上で、この分布を広帯域(数百kHz〜数MHz以上)に拡散して送信することで、ノイズに強く、干渉に強く、また傍受されにくい秘匿性を合わせ持った通信を実現する。
この通信方式では広い帯域をスペクトラムが占めるが、その密度は薄いため、同じ周波数帯を利用する他の通信に殆ど影響を与えない。
言い替えれば同じ周波数帯を複数の用途で併用できるということで、電波帯域を有効に活用できる。
また仮に信号が衝突したとしても、あらかじめ冗長度を高めてあり誤り訂正可能になっているため、データの修正が可能である。
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