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携帯音楽プレイヤーのパイオニア。長くパソコンユーザーに親しまれたブランドだが、その歴史には買収に次ぐ買収の記憶が刻まれている。
最初の製品はRio PMP300である。1998(平成10)年に株式会社ダイアモンド・マルチメディア・システムズが発表し、同年12月に発売された。これは同社が韓国DigitalCastを買収し、そのチームが開発したものである。
やがて米Diamond Multimedia Systemsは業績が悪化、同業でかつてのグラフィックチップ業界の覇者である米S3社に買収され、以降RioはS3社のブランドで製品展開が行なわれた。
2000(平成12)年11月には親会社の米S3社がSONICblueに社名を変更し、日本法人の「株式会社ダイアモンド・マルチメディア・システムズ」も「株式会社ソニックブルー」に改め、以降はその社名でmp3 CDプレイヤーの「RioVolt」などの製品展開を図った。
しかしその親会社の米SONICblue社は破産、Rio事業を3,620万ドルで株式会社ディーアンドエムホールディングス(D&M holdings)に売却された。これは日本企業で、デノンとマランツの親会社である。売却後ソニックブルーは精算されたが、なおRioブランドは生き残った。
D&M以降は、Ethernet対応のHDD搭載携帯音楽プレイヤー「Rio Karma」などを展開した。
しかし幾ら創世期を支えた草分けとはいえ、Apple ComputerのiPodが市場を席巻する中で、不良が多く、連続再生可能時間の向上も実現できず、目立った技術優位も無かったRioの市場占有率は下落の一途を辿った。iPodはパソコンのヘビーユーザー以外にも売れたのに対し、Rioはいわゆるパソコンオタク以外には売れなかったことが致命的な問題であったと考えられる。
結果、D&Mは遂に2005(平成17)年9月末でRioブランド製品の販売を終了し全世界的に携帯音楽プレイヤー事業から撤退すると発表した。これを著している時点ではRioブランドの引き取り手はおらず、発売後約7年で遂に市場から撤退することが確実となった。
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