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ウイルス等の遺伝子(DNA)を増幅させて検出する技術。ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)の頭字語から。
PCR検査はコロナ禍まではあまりメジャーな検査ではなかったため一般には武漢肺炎ウイルス感染症専用の検査法と思われているふしがあるが、そうではない。
結核菌のPCRなどは昔から実施されており、また元々の用途は検査に限ったものではなく基礎研究で使われることが多かった。
PCR検査にも幾つか種類があり、リアルタイムPCR法、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法、DNAシークエンシング法などがよく使われている。
参考までに、PCR検査以外にもウイルス検査法は幾つかあり、LANP法、抗原検査、抗体検査などが用いられているが、それぞれで検査時間や感度に違いがある。
Ct値はthreshold cycleの略で、検査対象遺伝子のPCR増幅シグナルが陽性と判定された時点での増幅サイクル数である。Ct値は検体中のウイルス量に反比例しており、ウイルス量が多いほど小さい値になる。これは、ウイルス量が多いほど検出されやすいため、少ない増幅回数で検出できるためである。
すなわち、結果として得られるCt値が大きいほどウイルス量は少ないことになる。実際に、アメリカの研究ではCt値35(約350億倍に増幅)以上で陽性となった検体からは感染性があるウイルスを取り出せない、としている。
PCR検査としてどの辺りを陽性の基準にするかは国により異なるが、日本ではCt値40(約1兆1000億倍に増幅)を基準にしている。これは、死んでいたり微量で感染性のないウイルスにも反応するとして、高すぎるという批判もある。日本でも民間の検査キットではCt値37前後未満で陽性、それ以上で検出せずと判断する、としているものもある。他国では、台湾では35程度、アメリカでは40前後、支那では37〜40程度で運用されることが多いとされている。
PCR検査は、武漢肺炎ウイルス感染症の検査で突如導入され知られるようになったもので、感染症の検査としてはまだ不確実性が高い方法である。
つまり、PCR検査の信頼性はそれほど高くはなく、今後の臨床データ蓄積を経て、陽性の基準となるCt値なども見直されていくことになる。
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