原子炉のタイプの一つで、軽水炉の一種。
軽水炉のうち、炉内で冷却水を沸騰させるものをいう。
発生した蒸気はそのままタービンに送られる直接サイクル型である。タービンを別棟にする場合、フィルターを経てタービン建屋まで蒸気を通す配管が敷かれることになる。
燃料にウランを使う場合、2.2%濃縮二酸化ウランが一般に用いられる。
冷却水は一次系のみで、二次系に相当するものがない。注ぎ込まれた水は、原子炉内を冷却する。そして原子炉内の圧力約70気圧、温度約285℃の高温の水蒸気が作り出され、この蒸気でタービンを回す。この蒸気は、海水などを使った冷却水で冷却され、再び原子炉格納容器内へと引き込み循環することになる。
このように冷却水は一系統のみであるため、冷却水を一次系と二次系に分ける加圧水型原子炉(PWR)と比較して構造がシンプルになるが、発電タービンまで放射性物質を含む水(水蒸気)が来てしまうという欠点がある。
機構的に、制御棒を下から上に(重力に反して)挿入せざるを得ず、緊急時の安全性が課題である。
例えば北陸電力の志賀原子力発電所や、東京電力の福島第一原子力発電所などで採用されているのが有名だが、いずれも検査中などに制御棒が抜ける事故が発生している。
但し、2011(平成23)年3月11日に発生した最大震度7(マグニチュード8.8)の大震災時には、(設備自体は壊滅したものの)原子炉の動作停止にはかろうじて成功しており、周辺の耐久性向上が課題ではあるが緊急時の動作自体には問題なさそうなことが、実体験から判明した。
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